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<新興国eye>マレーシア中銀、金利据え置きでも市場は利上げ再開を予想
2023-03-10 08:57:00.0
バンク・ネガラ・マレーシア(中銀)は9日の金融政策決定会合で、世界景気の後退による自国経済への悪影響を考慮し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を2.75%に据え置くことを決めた。市場の大方の予想通りだった。ただ、一部では0.25ポイントの再利上げを予想していた。
中銀は22年5月会合で、インフレ抑制のため、18年1月25日以来、4年4カ月ぶりに利上げに転換、同11月まで4会合連続で利上げした。利上げ幅が計1.00ポイントに達したため、今年1月の前回会合で22年3月以来、5会合(10カ月)ぶりに据え置きに転じた。据え置きは2会合連続。
中銀は会合後に発表した声明文で、金利据え置きを決めたことについて、前回会合時と同様、「金融政策のスタンスは依然として緩和的であり、経済成長を支えている」とした上で、「MPC(金融政策委員会)は過去の金融政策が経済に遅れて及ぶ影響を考慮し、これまでの政策金利の調整(4会合連続の利上げ)の影響を引き続き見守りたい」とし、景気見通しの下振れリスクを考慮し、据え置いたことを改めて強調した。
中銀は景気見通しのリスクについて、「マレーシア経済は、経済再開と官民の支出拡大にけん引され、22年のGDP伸び率は8.7%増と、力強い成長を遂げたが、世界経済が減速する中、23年にはマレーシア経済は減速すると予想している」と、懸念を示している。直近でも22年10−12月期GDP伸び率は前期比2.6%減となっている。
ただ、中銀は今後の金融政策について、「引き続き、国内のインフレと持続可能な経済成長に対するリスクのバランスをとるよう、金融政策を調整する」とし、景気にも配慮しながら小幅利上げの可能性にも含みを残している。政府がリセッション(景気失速)の可能性を否定、アンワル・イブラヒム首相も今年の成長率が政府予想の4.5%増を上回ると指摘、利上げ余地があることが背景。
中銀はインフレ見通しについて、前回会合時と同様、「23年にかけて、全体指数とコア指数は緩やかに上昇すると予想されるが、需要とコストの圧力が長引く中で、高水準にとどまる」とし、また、「インフレ見通しに対するリスクは上向き。補助金や価格統制に関する国内政策の変更と世界的なコモディティ(国際相場商品)価格の動向に引き続き大きく左右される」とし、警戒を緩めていない。政府は今年のインフレ見通しを2.8−3.8%上昇と予想、今後、インフレ圧力が高まると見ている。
市場では中銀は現在の利上げ停止を長期化させず、4−6月期に利上げを再開すると予想している。
次回の会合は5月3日に開かれる予定。
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