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<新興国eye>カンボジア中小企業銀行、中小企業向け貸付進む
2023-02-24 08:50:00.0
2月3日、カンボジア中小企業銀行は、年次会合を開催し、2022年の業績等を発表しました。カンボジア中小企業銀行は、2020年2月に設立され、それ以降、2500社以上の中小企業に合計2億ドル以上の資金を融資してきました。2022年12月末の残高は、231社に対して5340万ドルでした。また、これに加えて、観光回復協調融資スキームでは、292社に4200万ドルを貸し付けています。
中小企業銀行では、中小企業協調融資スキーム第1フェーズおよび第2フェーズで総額2億4000万ドル(約324億円)の貸付枠を有しています。中小企業協調融資スキームは、協調融資提携金融機関と協力して、経済回復戦略の一環として中小企業を振興するために、金融アクセスのニーズがある中小企業に貸付を行うものです。提携金融機関は、商業銀行、特殊銀行、マイクロファイナンス機関等の合計33機関です。融資上限額は、設備投資は50万ドル、運転資本は30万ドルです。金利は7.5%/年ですが、優先セクター(工業・サービス・貿易等)と認められる場合は、6.5%に優遇されます。融資期間は、最長7年です。
また、観光回復協調融資スキームは、カンボジア中小企業銀行と民間提携金融機関により、総額1億5000万ドル(約203億円)を、新型コロナの影響を受けて厳しい状態にある観光業向けに融資するものです。中小企業銀行が7500万ドル、提携民間金融機関が7500万ドルを負担します。優遇金利(6.5%/年)が適用され、期間は最長7年(据置期間1年を含む)で、借入上限額は40万ドルとのことです。
中小企業はカンボジアに70万社程度あり、特に雇用の創出について、重要な役割を果たしています。中小企業の振興の最大の課題は、金融へのアクセスであると指摘されています。多くの中小企業にとって、こうした優遇条件での融資は、大きな役割を果たすものと見られます。カンボジア政府では、今年も中小企業銀行向けに1億ドルの予算を準備しており、中小企業協調融資スキーム第3フェーズを実施する計画です。中小企業銀行が引き続き中小企業を支援していくことが期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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