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新興国ニュース

<新興国eye>インド準備銀行、賛成多数で0.25ポイント追加利上げ―今後も利上げ継続へ

2023-02-09 08:51:00.0

 インド準備銀行(中銀)は8日の金融政策決定会合で、インフレ上昇を抑制し、景気を支援するため、流動性調節ファシリティ(LAF)の主要政策金利であるレポ金利(中銀の市中銀行への翌日物貸出金利)を0.25ポイント引き上げ、6.50%とすることを4対2の賛成多数で決めた。2委員が利上げに反対した。0.25ポイントの利上げは市場の大方の予想通りだった。

 中銀はコロナ禍の深刻な悪影響がインド経済に及ぶ恐れがあるとして、20年3月の緊急会合で1年1カ月ぶりに利下げ(0.75%)に転換。同5月の緊急会合でも2会合連続の利下げ(0.40%)を決め、利下げ幅は計1.15%ポイントに達した。その後は22年4月まで11会合連続で据え置きに転じたが、インフレの急加速を受け、5月4日の臨時会合で0.40ポイントの緊急利上げに踏み切った。これで6合連続の利上げとなり、利上げ幅は計2.50ポイントに達した。6.50%の金利水準は18年以来4年ぶりの高水準。ただ、利上げ幅は前回12月会合時の0.35ポイントからさらに縮小、2会合連続の縮小となった。

 中銀はレポ金利の引き上げに伴い、金融システムから余剰流動性を吸収するため、金利の上下幅(コリドー)についてもLAFのリバースレポ金利(市中銀行の中銀への預金金利)も同率引き上げ、6.25%に、市中銀行が資金ひっ迫時に中銀から政府債を担保に資金を借りることができる流動性供給スキーム「MSF(マージナル・スタンディング・ファシリティー)」と公定歩合もそれぞれ同率引き上げ、6.75%とした。

 追加利上げを決めたことについて、中銀は声明文で、前回12月会合時とほぼ同様に、「インフレ期待を抑制し、コアインフレの高止まりを打破、それにより、中期的な成長見通しを強めるため、徐々にゆっくりとした、さらなる金融政策の決定が必要だと判断した」としている。

 その上で、今後の金融政策については、「成長を支えながらインフレ率が物価目標内に留まることを確実にするため、金融緩和の撤回(金融引き締めへの転換)に引き続き注力することを決めた」とし、利上げを継続する考えを示した。ただ、金融緩和の撤回に賛成したのはシャクティカンタ・ダス総裁ら4人(前回も4人)で、残りの2人は反対した。

 ダス総裁は声明文で、「23年度第4四半期(24年1−3月期)のインフレ率は前年比5.6%上昇と予想されるが、今の6.50%という政策金利はインフレ調整後では依然、コロナ禍前の水準を下回っている。流動性も依然、余剰となっており、金融緩和の状況が続いている。従って、金融緩和の撤回に引き続き注力することを決めた」と説明している。また、同総裁は、「MPCはインフレ率が物価目標のレンジ内に留まり、4%上昇の物価目標に向かって収束していくよう、インフレの動向を強く警戒し続ける」とし、また、「我々はインフレの決定的な緩和(低下)を確認しなければならない」とも述べ、利上げ継続の考えを強調している。

 市場では今回の会合が利上げサイクルの最終利上げとなるかに焦点を当て、1−3月期に金利が6.50%で終了し、今年末までこの水準で据え置かれると予想していたが、今回の会合でも中銀が金融緩和の撤回(利上げ)に固執したことからタカ派(インフレ重視の強硬派)スタンスが強まった。しかし、それでも市場では、利上げサイクル終了は近いとの見方を変えていない。今後、インフレが低下すれば、インフレ調整後の金利水準が上昇し、金融引き締めが強まるため、次回4月会合時点で利上げサイクルが終了する可能性があると見ている。

 インドでは法律により、インフレ率が3四半期連続で物価目標(前年比4%上昇)のレンジ(2−6%上昇)の上限を上回った場合、是正措置を取る必要がある。22年12月のインフレ率は前年比5.7%上昇と、前月(11月)の5.9%上昇から伸びが減速、物価目標(4%上昇プラス・マイナス2%ポイント)の上限(6%上昇)を下回ったが、今後のインフレ見通しについて、ダス総裁は、「23年度のインフレ率は物価目標を上回り続ける可能性が高い」とし、原油価格を1バレル95ドルと想定した上で、23年度は6.5%上昇と予想。景気見通しについては、23年度を6.4%増と予想している。

 次回の金融政策決定会合は4月3、5、6日に開かれる予定。

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提供:モーニングスター社