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新興国ニュース

<新興国eye>ロシア中銀、予想通り金利据え置き―足元のインフレ圧力緩和を受けて

2022-12-19 09:22:00.0

 ロシア中央銀行は先週末(16日)の金融政策理事会で、足元のインフレ率の減速を受け、主要政策金利である資金供給のための1週間物入札レポ金利と資金吸収のための1週間物入札預金金利を7.5%に据え置くことを決めた。市場の予想通りだった。

 中銀はロシア・ウクライナ戦争の勃発(2月24日)と、それに伴う西側の対ロ経済制裁により、インフレ圧力が一段と高まったことや、ルーブルが一時30%も急落したことを受け、2月28日の臨時会合で、主要政策金利を9.5%から一気に20.0%に引き上げた。

 しかし、4月8日の臨時会合から景気を支援するため、3.0ポイントの大幅利下げを決めて利下げサイクルに転換。7月まで5会合連続で1.5ポイントの大幅利下げを決めたが、9月会合で利下げ幅を0.5ポイントに縮小。また、4月以降の利下げ幅が計12.5ポイントに達し、ウクライナ戦争開始後の緊急利下げ分(10.5ポイント)を大きく上回ったことを受け、前回10月会合から金利据え置きに転換。現状維持はこれで2会合連続となった。金利水準は21年12月(7.5%)以来の低水準となっている。

 中銀は会合後に発表した声明文で、金利を据え置いたことについて、前回会合時と同様、「インフレ率は春にピークに達して以降、大幅に低下している。消費需要が抑制され、現在のインフレ率は緩やかに上昇している」とし、足元のインフレ率の伸び率が鈍化していることを指摘している。中銀によると、11月のCPI(消費者物価指数)は前年比12.0%上昇と、10月の同12.6%上昇を下回り、9月の同13.7%上昇や8月の同14.3%上昇に比べてもかなり鈍化している。

 インフレ見通しについて、中銀は、「金融政策のスタンスを考えると、23年は5−7%上昇(前回会合時は同5−8%上昇)に減速。24年には物価目標の4%上昇に収束し、その後は4%上昇で推移する」と見ている。

 今後の金融政策について、中銀は前回会合時と同様、「金融政策決定は、物価目標に対するインフレとインフレ期待、ロシア経済の変革の動向、さらには国内外の状況や金融市場の反応によってもたらされるリスクを考慮する」とした。しかし、「家計と企業のインフレ期待は基本的に変わらず、依然として高いままで、短期的には財政支出の拡大や雇用市場からの圧力(生産性を上回る賃金上昇)などにより、インフレ上振れリスクが下振れリスクを上回っている」と警告。特に、ウクライナ戦争の拡大に伴う30万人の兵士動員や国外脱出の増加により、労働者不足に陥っているため、ナビウリナ総裁は「経済への深刻な打撃や賃金上昇圧力の上昇が懸念される」としている。

 また、中銀は前回会合時に使った、「経済とインフレの動きは財政政策の決定に大きく依存している。財政赤字が拡大した場合、インフレを24年に物価目標(4%上昇)に戻し、それを4%上昇近くに保つためには、金融引き締めが必要になる可能性がある」との文言を残し、インフレリスクを慎重に見極めたい考え。

 中銀は、インフレ加速リスクの外部要因について、「世界経済の減速は、ロシアの輸出品に対する海外需要を弱め、ルーブル安を通じてインフレ促進効果をもたらす可能性がある」と指摘している。市場でも現時点ではインフレは緩やか上昇だが、ウクライナ戦争の進展により、財政支出が拡大、インフレが加速し、将来的に金利が引き上げられる可能性が高いと見ている。

 次回の定例会合は23年2月10日に開かれる予定。

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提供:モーニングスター社