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<新興国eye>カンボジアでアジア開発銀行支援の太陽光発電所が稼働
2022-12-09 08:53:00.0
11月11日、アジア開発銀行(ADB)が支援した太陽光発電所であるナショナルソーラーパーク(100MW)の第1フェーズ60MWが稼働し、全国送電網に接続されました。稼働式典には、アジア開発銀行の浅川雅嗣総裁も参加しました。
今回稼働した事業は、100MWのナショナルソーラーパーク事業の一部の60MW部分です。事業は官民パートナーシップ(PPP)で実施され、カンボジア電力公社(EDC)が土地と送電を負担、民間事業者が発電部分を建設することとなっています。アジア開発銀行は、契約アドバイザーの役割を担います。この事業には、民間事業者26社が応札し、Prime Road Alternative Company Limitedが、最低価格3.877セント/キロワット時で落札しました。また、第2フェーズ(40MW)については、Trina Solar Co. Ltd.が2.6セント/キロワット時で落札しています。
太陽光発電で4セント/キロワット時を割る価格となっているのは、大変素晴らしいことです。カンボジアでは、電力料金が高いことが課題となっています。中国による水力発電所は発電端価格で9セントを上回ると言われています。また、東北部のローワーセサン第2水力発電所でも6.95セントでした。この中で、2.6セントや3.877セントは大変魅力的な価格ということができます。カンボジアでは、季節調整能力が不十分で乾期に出力が低下する水力発電所に電力供給の半分近くを頼っていることもあり、乾季にこそ出力が安定する太陽光発電との組み合わせが望ましく、そのシェア拡大を必要としています。この状況で、太陽光発電が低コストとなってきたことは、電力の安定供給と価格引き下げの双方に大きな効果があるものと期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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