youtube fund_beginer fund_search fund_look

新興国ニュース

<新興国eye>前週のブラジル株、ルラ新政権の社会福祉政策による財政悪化懸念で続落=BRICs市況

2022-11-21 09:05:00.0

 前週(14−18日)のブラジル株式市場は18日のボベスパ指数が前日比0.76%安の10万8870.17、週間ベースでは11日終値比3.01%安と、続落した。この結果、月初来で6.18%安、年初来では3.86%高となった。

 週明け14日は指数が続伸。翌15日は「共和制宣言記念日」の祝日のため、休場となった。取引が再開された16日は反落し、17日まで続落。

 週前半は、ブラジル中銀が発表した経済週報「フォーカス・ブルティン」で、22年実質GDP(国内総生産)伸び率の見通しが前週予想の2.76%増から2.77%増に引き上げられたことを好感し、買いが優勢となった。また、GDP(国内総生産)の先行きを占う9月IBC−Br経済活動指数が前月比0.05%上昇と、8月の同1.13%低下から上昇に転じ、7−9月期も前期比1.36%上昇と、20年末以来2年ぶりの高い伸びとなったことも買い材料となった。

 週後半は、休場明けで取引が再開され、米株市場が下落したことが嫌気され、売りが優勢となった。また、通貨レアル安の進行に加え、ルラ新大統領のエイド・ブラジルを拡充計画(1世帯たり600レアルの追加助成金の支出)も売り材料となった。ルラ政権は財政支出の伸びを今後20年間インフレ率以下に抑制する憲法補足法(PEC)の適用からエイド・ブラジルを除外するよう議会に提案したが、市場では財政を悪化させると懸念を示している。

 その後は、引き続き、ルラ政権の選挙公約となっているエイド・ブラジルの拡充が財政を悪化させるとの懸念で、売りが一段と強まった。エイド・ブラジルの拡充には23年度予算で約1750億レアル(約325億ドル)の財源が必要となるが、歳出上限を超えるため、市場では公的債務の急増とインフレ加速、レアル安の進行を懸念している。

 週末18日は3日続落。ルラ政権下で次期副大統領となるジェラルド・アルクミン氏が17日の記者会見で、エイド・ブラジルの拡充による、市場の財政悪化懸念を払しょくするため、23年度予算の黒字化と公的債務の削減を約束したものの、売りが優勢となった。また、FRB(米連邦準備制度理事会)幹部が講演でインフレ抑制のためには政策金利が5−7%に引き上げられる必要があると指摘したこと受け、積極利上げ観測が強まったことも地合いを悪化させた。

 今週(21−25日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢巡る米中関係、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、特にルラ大統領の経済政策も注目される。主な経済指標の発表予定は24日の11月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)消費者信頼感指数と11月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)、25日の10月経常収支など。

<関連銘柄>
 ボベスパ<1325>、上場MSエマ<1681>、上場EM債<1566>
提供:モーニングスター社