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新興国ニュース

<新興国eye>RCEPの10周年記念フォーラム、カンボジア・プノンペンで開催

2022-11-18 08:45:00.0

 11月2日・3日、カンボジア・プノンペンで、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)主催のRCEP(地域的な包括的経済連携)に関するハイレベルフォーラムが開催されました。フォーラムには、フン・セン首相、パン・ソラサック商業大臣、ERIAの西村英俊総長他多数が参加しました。

 今回のフォーラムでは、RCEP交渉開始から10周年となる機会をとらえて、RCEPの業績、得られた教訓等について議論されました。また、RCEPの活用を促進するための方策や、RCEPを国内の構造改革や地域統合に活かしていく方策等も議論されました。更に、サービスの自由化、投資・貿易の促進、RCEPと生産構造、国境の課題等について、各国の専門家による専門的な議論も行われました。

 また、ERIAが作成した「RCEPと東アジアのダイナミズム:地域統合の枠組み」と題する報告書も発表され、ERIAの西村総長からフン・セン首相に提出されました。

 RCEP協定は、関税の削減などを通じて貿易の自由化を進める協定で2020年11月に15カ国が署名し、2022年1月1日に発効しました(インドネシアは2023年1月に発効予定。ミャンマー・フィリピンは未発効)。参加国の国内総生産(GDP)と人口の合計は世界の3割を占める規模となります。環太平洋経済連携協定(TPP)に比べると貿易自由化率やルール水準は低いものの、中国が参加する唯一の大型自由貿易協定となります。また、物品貿易の関税削減に留まらず、サービス貿易、人の移動、知的財産権、紛争解決等を包括的に定めたRCEPが、アジア地域では主たる協定となると見られます。

 カンボジアについては、政府はRCEPの効果は大きいと期待を示しているものの、RCEPがカンボジアにどの程度の輸出拡大効果をもたらすかは、今後の推移を見守る必要があるものと見られます。なお、フン・セン首相は、RCEP事務局をカンボジアに誘致したいと再度強調しており、今後の各国による協議結果が期待されます。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

提供:モーニングスター社