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<新興国eye>マレーシア中銀、予想通り0.25ポイント利上げ―金融調整は「徐々に緩やか」を維持
2022-11-04 09:06:00.0
バンク・ネガラ・マレーシア(中銀)は3日の金融政策決定会合で、インフレ上昇を抑制し、通貨リンギット安の進行を阻止するため、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を0.25ポイント引き上げ、2.75%とすることを決めた。市場の大方の予想通りだった。
マレーシア中銀は5月会合で、各国中銀がインフレ抑制で利上げサイクルに転換する中、18年1月25日以来、4年4カ月ぶりに利上げに転換。金利水準を世界的な金融危機となった09年当時の2%に戻した以降も利上げを継続しており、これで利上げは4会合連続となった。利上げ幅も計1ポイントとなっている。
中銀は会合後に発表した声明文で、「世界的なサプライチェーンの混乱が改善したものの、強い需要とタイトな雇用市場、コモディティー(国際相場商品)価格上昇により、インフレ圧力が予想以上に持続している」とし、また、「多くの中銀、特に、米国の積極的な利上げの継続と政策金利のピークが高まるとの憶測でドル高が進み、リンギットなど新興国通貨に悪影響が及んでいる」とし、追加利上げによるインフレ抑制と通貨安阻止の必要性を強調した。市場では、マレーシアでは19日に総選挙を控えており、追加利上げには通貨安とインフレ加速を避けたいという政府の狙いも背景にあると見ている。
利上げ継続による景気後退懸念について、中銀は、「(ウクライナ戦争など)地政学的緊張など外部要因からの景気下振れリスクは依然としてあるものの、マレーシア経済は堅調な内需によってけん引され、7−9月期の経済活動は一段と強まっている」とした上で、「世帯支出は雇用市場の状況と所得見通しの改善によって引き続き下支えられる」とした上で、「マレーシア経済の持続的なプラス成長の見通しを背景に先制的に追加利上げに踏み切った」としている。
インフレ見通しについて、中銀は、「インフレの全体指数は7−9月期にピークに達した可能性が高く、今後、インフレ率が高止まりするが、緩やかに低下する」と予想。コアインフレ率は年初来平均2.7%上昇となっているが、年内に2−3%上昇の予想レンジの上限に近づくと見ている。ただ、中銀は、「23年は上ブレリスクがある。インフレ率は全体指数とコア指数のいずれも高止まりする」と警戒している。
このため、今後の金融政策の調整見通しについて、中銀は前回会合時と同様に、「金融政策の調整(利上げ)は引き続き、慎重かつ段階的な方法によって行われ、物価安定と持続的成長を支えるため、金融政策を引き続き緩和的にすることを保証する」とし、景気に十分配慮し、小幅利上げを継続したい考えを改めて強調している。
市場では年内にあと1回の0.25ポイントの利上げ、さらに、来年1―3月期にも0.25ポイントの利上げにより、政策金利は3.25%に達すると予想している。中銀の政策金利はコロナ禍前の3.00%に比べ、まだ0.25ポイント低い水準にある。
次回の会合は来年1月18−19日に開かれる予定。
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提供:モーニングスター社




