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新興国ニュース

<新興国eye>トルコ中銀、予想上回る1.5ポイント追加利下げ―利下げ終了を検討へ

2022-10-21 09:18:00.0

 トルコ中央銀行は20日の金融政策決定会合で、景気を支援するため、主要政策金利である1週間物レポ金利を1.5ポイント引き下げ、10.5%とすることを決めた。市場は1.0ポイントの利下げを予想していたため、サプライズとなった。

 中銀の金融政策に影響力を持っているエルドアン大統領は景気支援を優先させる低金利政策の方針を維持している。このため、市場では利下げ継続により、リラ安とインフレ上昇に歯止めがかからず、インフレ率は今後数カ月、上昇し続けると見ている。

 同国の9月のインフレ率は前年比83.45%上昇と、前月(8月)の80.21%上昇を上回り、21年6月(同17.53%上昇)以降、15カ月連続で加速。依然として、98年7月(85.35%上昇)以来、24年2カ月ぶりの高い伸びとなっている。中銀の最新の四半期インフレ報告書では、22年末時点のインフレ見通しは60.4%上昇、23年末時点の見通しは19.2%上昇、24年末時点も8.8%上昇と予想しているが、インフレ率(全体指数)は今秋に前年比約90%上昇でピークに達すると見ている。

 中銀はコロナ禍からの景気回復に伴う急激なインフレ上昇を抑制するため、20年9月から利上げサイクルに入り、利上げ幅が20年だけで計10.75ポイントに達したため、利上げが行き過ぎたとして、21年9月に利下げに転換。同12月まで5会合連続で利下げしたが、今度はリラ安が進行。それにより、インフレが急加速したため、今年1月から据え置きに転じた。しかし、8月会合で市場の据え置き予想に反し、利下げに転換。これで3会合連続の利下げとなり、利下げ幅は3.5ポイントに達した。

 中銀は会合後に発表した声明文で、追加利下げを決めたことについて、前回会合時と同様、「22年上期は力強い成長が見られたが、下期の景気見通しを示す先行指標は外需の低迷により、成長の鈍化を引き続き示している」とした上で、「世界経済成長の不確実性が高まり、地政学的リスクが高まっている時期に、鉱工業生産の成長の勢いと雇用を維持するため、金融緩和の状況が重要だ」とし、利下げを決めたとしている。

 また、中銀は前回会合時と同様、「エネルギー価格の高騰と主要貿易相手国の景気後退の可能性により、(輸出減少に伴う)経常収支の悪化リスクがある。持続的な経常収支は物価安定にとって重要」とし、通貨トルコリラ安による輸出競争力の維持の必要性も指摘している。

 ただ、中銀は、「次回11月会合で今回と同様な措置を決めたあと、利下げサイクルの終了を議題として取り上げ、検討する」とし、利上げサイクルの終了の可能性を示唆している。

 インフレ見通しについて、中銀は、前回会合時と同様、「インフレ上昇は、(ウクライナ戦争など)地政学的な動向を反映した、世界的なエネルギーや食料、農産物の価格上昇による強い供給ショックによって引き起こされている」とし、インフレ加速は国内需要の拡大よりも供給サイドに原因があるとの見方を維持。利上げによる需要抑制、それに伴うインフレ抑制の必要性がないことを改めて強調。

 その上で、中銀は、「進行中の地域紛争の解決とともに、持続可能な価格と金融の安定を強化するために講じられ、断固として実施された措置により、ディスインフレのプロセス(インフレの低下基調)が始まる」とし、インフレ減速の見通しに自信を見せている。

 今後の金融政策について、中銀は前回会合時と同様、「経済指標がインフレの恒久的な低下(減速)を示し、中期的な5%上昇の物価目標が達成されるまで、(通貨トルコリラの急落を阻止する)リラリゼーション戦略に基づいて、利用可能なあらゆる金融政策ツールを使い続ける」とし、欧米各国の利上げスタンスとは一線を画す考えを改めて強調した。リラリゼーション戦略とは金融システムでのトルコリラの利用拡大により、インフレ加速要因となるトルコリラ安を阻止し、物価安定を目指すという戦略。

 次回の金融政策決定会合は11月24日に開かれる予定。

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提供:モーニングスター社