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新興国ニュース

<新興国eye>カンボジア―陸上鉱区第8区、石油開発ライセンス授与

2022-10-21 08:43:00.0

 10月3日、カナダ系のアンコール・リソーシズ社は、カンボジア現地法人のEnerCam社(EnerCam Resources Corp. (Cambodia) Co. Ltd.)がカンボジアの陸上油田・ガス田第8鉱区の探査・開発・生産に関する最終ライセンスを受領したと発表しました。第8鉱区は、カンポット州等を含む7300平方キロメートルに及びます。これまでの調査結果によれば、地表21カ所で「油徴(石油の染み出し)」を確認し、サンプルを採取したとのことです。今後、環境に配慮しつつ地震探査等を行い、有望な油田の探査を行うとしています。ライセンスの期間は、探査が3年(2年延長が2回可能)、開発・生産は25年(延長条項あり)となっています。

 カンボジア領海の海上油田ブロックAについては、開発していたシンガポール系のクリスエナジーが破たんして開発は暗礁に乗り上げた形です。他方、カンボジアとタイの間では、タイ湾の海上の国境線が確定しておらず、双方が領有権を主張する2万6400平方キロメートルの重複主張海域(OCA)が存在しています。この海域では、石油・天然ガスが豊富に埋蔵されていると見られており、領有権問題を棚上げして、両国で共同開発を行う方向で協議が進められてきており、その開発にタイ・カンボジア双方で期待が高まっています。

 こうした中で、陸上鉱区の探査が行われることは大きな意義があります。ガソリン等の石油製品を全量輸入に頼っているカンボジアでは、ロシアのウクライナ侵攻等の外部要因で石油価格が突然高騰する等の影響を深刻に受ける状況にあります。国内で少しでも原油の生産があれば、長期的・安定的なエネルギー源を確保できるうえに、国際原油価格高騰等のショックを和らげる効果も期待できます。今後の探査の結果が期待されます。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社