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新興国ニュース

<新興国eye>ルーマニア中銀、予想上回る0.75ポイント追加利上げ―利上げ継続の可能性

2022-10-06 09:09:00.0

 ルーマニア国立銀行(中銀)は5日の金融政策決定会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を0.75ポイント引き上げ、6.25%とすることを決めた。利上げ幅が市場予想の0.50ポイントを上回り、サプライズとなった。

 また、中銀は主要政策金利の「プラス・マイナス1ポイント」のレンジの上限としている、市中銀行に資金供給するためのロンバート型貸出金利も7.25%に、下限にあたる資金吸収のための預金金利も5.25%に、いずれも同率引き上げた。

 中銀が金融システム内の流動性を適切に管理するため、市中銀行が中銀に預ける預金準備率については、自国通貨建ての預金準備率を8.00%、外国通貨建ての預金準備率も5.00%に、それぞれ据え置いた。

 中銀はコロナ禍による国内経済への悪影響を緩和するため、20年3月20日の緊急会合で政策金利を0.50ポイント引き下げて以降、21年1月まで計4回引き下げ、利下げ幅が計1.25ポイントに達したため、21年3月から据え置きに転じた。しかし、最近の急速なインフレ上昇を受け、同10月会合で18年5月以来3年5カ月ぶりに利上げを再開。これで9会合連続の利上げとなり、利上げ幅も計5.00ポイントに達した。0.50ポイント超の大幅利上げは4月以降、6会合連続で、08年の世界的な金融危機以来14年ぶりの速いペースとなっている。ただ、利上げ幅は7月の1.00ポイントから前回8月会合で0.75ポイントと、上げ幅が縮小している。

 中銀は会合後に発表した声明文で、追加利上げを決めたことについて、前回会合時と同様、「ウクライナ戦争の勃発(2月24日)と、それに伴う西側の対ロ経済制裁措置が景気見通しに対する不確実性とリスクの主要な要因となっており、また、消費者の購買力や信頼感に悪影響を及ぼし、中期的なインフレ見通しに影響を与えている」とし、追加利上げを決めたとしている。

 中銀は、「ウクライナ戦争の激化と西側による対ロ制裁の強化がサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)といった供給サイドのショックを引き起こし、農産品価格とエネルギー・輸送コストの大幅上昇と相まって、インフレ圧力を高めている。インフレ率は年末に向けて上昇基調を維持する」と見ている。

 ルーマニアの8月のインフレ率(全体指数)は前年比15.32%上昇と、7月の同14.96%上昇や6月の15.05%上昇を上回っている。中銀の物価目標レンジ(1.50−3.50%上昇)の上限を大きく超え、14年ぶりの高い伸びとなっている。

 また、中銀は、「コアインフレ率(間接税率の変更の影響を除くため一定税率ベースでみたコアインフレ率)も6月の前年比9.8%上昇から7月は同10.4%上昇、8月は同11.2%上昇と、持続的なペースで上昇し続けている」とし、警戒を強めている。

 今後の金融政策の見通しについて、中銀は前回会合時と同様、「持続可能な経済の達成につながる方法で、中期的にインフレ期待を抑制し、政策金利の引き上げを通じ、貯蓄を促し、インフレ率を2.5%プラス・マイナス1.0%ポイントの物価目標に戻すことを目指す」とし、景気支援とインフレ抑制の両立を目指す考えを改めて強調。その上で、前回会合時と同様、「中期的な物価安定の達成に必要なあらゆる手段を講じる用意がある」とし、追加利上げの可能性を示唆している。

 中銀は、インフレ率は来年4−6月期まで2ケタの上昇が続き、急速に減速せず、物価目標に収束するのは24年4ー6月期と見ている。市場ではルーマニアの政策金利は周辺諸国に比べるとまだ低いため、ルーマニア中銀は追加利上げに向かい、7.0%のピークに達した時点で利上げサイクルを停止すると予想している。

 次回の金融政策決定会合は11月8日に開かれる予定。

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提供:モーニングスター社