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<新興国eye>カンボジア、自動車・エレクトロニクス分野振興計画案を協議
2022-07-29 11:51:00.0
7月12日、カンボジア開発評議会(CDC)が主催した省庁間会議で自動車・エレクトロニクス分野振興計画案(ロードマップ)が協議されました。
第1フェーズとして、27年までの5年間で、サプライチェーンの一環を担う部品産業の誘致・発展に取り組みます。自動車関連分野では、ワイヤーハーネス、シート、オーディオなどの部品産業を重点業種とするとしています。エレクトロニクス分野では、コネクター、ケーブル、高性能プリント基板(PCB)の組み立てを重点業種とします。
カンボジア政府は、これら重点業種の振興により、これらの分野において27年までに輸出額20億ドル、雇用創出2万2000人の達成を目指すとしています。28−38年に予定する第2フェーズでは、より複雑な部品の製造と、付加価値の高い自動車の組み立て等を行い、将来的にはカンボジアが自動車の製造拠点のハブとして機能することを目指すとのことです。
また、民間からの意見を聴取するために「カンボジア自動車・エレクトロニクス分野官民協議会」を立ち上げるとのことです。第1回の協議会は、22年7月末に開催の予定としており、カンボジア政府側からアクションプランとタイムラインを説明し、民間企業からの協力方法について意見を交換したいとしています。
カンボジア経済は、これまで労働集約型軽工業(縫製、製靴、旅行用品製造等)に偏っていました。しかし、輸出品目と輸出先国の多様化を図るとともに高付加価値化を目指す観点から、南部経済回廊を活用した労働集約型輸出志向型部品産業の振興が課題となっていました。
すでに、アジア地域での国際サプライチェーンの活用の実績がある日系企業がカンボジアに進出してきています。さらに、周辺国に進出している日系企業にとってもカンボジアは有望な次の投資先となりつつあります。
自動車部品や電子部品の製造を重点とする今回の計画は、カンボジアのメリットを最大限活用できるものであるとともに、日系部品産業にとっても追い風となるものであり、政府・民間が協力・連携して、計画の策定と実施に向けて取り組んでいくことが期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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