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新興国ニュース

<新興国eye>トルコ中銀、政策金利14%を据え置き―リラ安阻止によるインフレ抑制戦略変えず

2022-07-22 14:50:00.0

 トルコ中央銀行は21日の金融政策決定会合で、トルコリラの安定を通じて、インフレを抑制するため、主要政策金利である1週間物レポ金利を14.00%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。

 市場では、中銀の金融政策に介入姿勢を取るエルドアン大統領の低金利政策の意向に変わりがないため、今後もリラ安とインフレ上昇に歯止めがかからず、インフレ率は上昇し続けると見ている。すでに6月のインフレ率は前年比78.62%上昇と、5月(同73.5%上昇)を上回り、24年ぶりの高い伸びに急加速。今後、80%上昇に達すると予想されている。

 中銀はコロナ禍からの景気回復に伴う急激なインフレ上昇を抑制するため、20年9月から利上げサイクルに入ったが、利上げ幅が20年だけで計10.75ポイントに達したため、利上げが行き過ぎたとして、21年9月に利下げに転換。同12月まで5会合連続で利下げしたが、今度はリラ安が進行。インフレが急加速したため、22年1月から据え置きに転じた。これで7会合連続の据え置き。市場の大方は23年の総選挙までのあと1年余りは現状の低金利が続くと見ている。

 中銀は会合後に発表した声明文で、現状維持を決めた理由について、前回6月会合と同様に、「インフレ上昇は、(ウクライナ情勢など)地政学的な動向を反映した、世界的なエネルギーや食料、農産物の価格上昇による強い供給ショックによって引き起こされている」とし、インフレ加速は国内需要の拡大よりも供給サイドに原因があると判断。利上げによる需要抑制、それに伴うインフレ抑制の必要性がないことを改めて強調している。

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の開始(2月24日)以降、インフレ圧力が一段と高まっていることについて、中銀は前回会合時と同様、「コモディティ価格(国際相場商品)の高騰、特に食品の供給制約の持続によって、各国の(保護主義的な)貿易制限による食料安全保障に対する懸念が高められ、生産者と消費者の物価上昇を招いている」とし、供給サイドによるインフレ加速に警戒感を示している。

 その上で、「進行中の地域紛争の解決とともに、持続可能な価格と金融の安定を強化するために講じられ、断固として実施された措置により、ディスインフレのプロセス(物価上昇率の鈍化基調)が始まる」との見通しを改めて強調した。

 また、中銀は前回会合時と同様、「経済指標がインフレの恒久的な低下(減速)を示し、中期的な5%上昇の物価目標が達成されるまで、リラリゼーション戦略に基づいて、利用可能なあらゆる金融政策ツールを使い続ける」とし、トルコリラの相場安定によるインフレ抑制を目指す戦略に固執。欧米各国の利上げスタンスとは一線を画す考えを改めて強調した。リラリゼーション戦略とは、金融システムでのトルコリラの利用拡大により、インフレ加速要因となるトルコリラ安を阻止し、物価安定を目指すもの。

 経常収支の動向については、「エネルギー価格の高騰と主要貿易相手国の景気後退の可能性により、引き続き、経常収支の悪化(貿易赤字の拡大)リスクが続く。持続可能な経常収支は物価の安定にとって重要である」とし、警戒感を強めている。

 国内の高インフレにもかかわらず、政策金利を引き上げないため、外国人投資家にとってはトルコの金融資産には投資魅力がなく、中銀の思惑に反しトルコリラの下落圧力が高まっている状況だ。

 次回の金融政策決定会合は8月18日に開かれる予定。

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提供:モーニングスター社