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<新興国eye>カンボジア地方選挙2022、最終結果発表
2022-07-08 13:34:00.0
6月26日、カンボジア国家選挙管理委員会は、6月5日に投開票が実施された地方選挙の最終結果を発表しました。カンボジアでは、5年に一度、地方自治体(コミューン・サンカット)の評議会議員の選挙が行われています。今回の選挙では、全国1652のコミューン・サンカットを対象に、17政党から合計8万6092人(うち女性2万7813人)の候補者が立候補しました。登録済有権者数は、920万5681人で、全国2万3602か所の投票所で投票が行われました。投票総数は739万4427票で、投票率は80.3%でした。
今回の選挙でも、フン・セン首相率いる与党人民党は議席数で8割以上を獲得し圧勝しました。与党の人民党が第一党になったのは全体の99.8%に相当する1648コミューンで、野党が第一党となったのはキャンドルライト党の4コミューンに留まりました。獲得議席数は、人民党9376議席(80.7%)、キャンドルライト党2198議席(18.9%)となりました。この他、フンシンペック党19議席、クメール国家連合党13議席、草の根民主党6議席、カンボジア愛国党5議席、カンボジア若者党3議席、カンプチアニュム党1議席、蜂の巣民主党1議席となっています。得票率は人民党が72.7%(537万8773票)、キャンドルライト党21.8%(161万556票)でした。
前回の選挙は、17年6月4日に投開票が実施されました。与党の人民党が第一党になったのは、全体の70.2%に相当する1156コミューン、野党の救国党は29.7%に相当する489コミューン、クメール国家連合党は1コミューンでした。得票率は人民党が50.8%(約354万票)、救国党は43.8%(約306万票)でした。獲得議席数は、人民党6503議席、救国党5007議席でした。このように、最大野党であった救国党が議席を大きく伸ばしましたが、その後、同党は裁判所に解散を命じられ、翌年の総選挙では与党が議席を独占する結果となりました。
今回の地方選挙は、23年に予定される総選挙の前哨戦と言われており、総選挙の結果にもある程度の影響を与えるものと見られます。今回、政権の圧力で解党された救国党の流れをくむキャンドルライト党が得票率2割を超えてきたことは注目されます。今回も選挙自体は概ね問題なく実施されたと見られますが、野党に対する政権の締め付けもあったと言われており、欧米諸国の反応にも今後留意する必要があるものと見られます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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