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新興国ニュース

<新興国eye>ロシア中銀、予想上回る1.5ポイント大幅利下げ―次回小幅利下げを示唆

2022-06-13 11:45:00.0

 ロシア中央銀行は10日の金融政策理事会で、最近の通貨ルーブル高(18年以来4年ぶり高水準)の進行を抑え、景気を支援するため、主要政策金利である資金供給のための1週間物入札レポ金利と資金吸収のための1週間物入札預金金利をいずれも1.50ポイント引き下げ、9.50%とすることを決めた。市場予想は1.00ポイント利下げだったため、サプライズとなった。

 中銀はロシアによるウクライナへの軍事侵攻の開始(2月24日)と、それに伴う西側の対ロ経済制裁により、インフレ圧力が一段と高まったことや、ルーブルが一時30%も急落したことを受け、2月28日の臨時会合で、主要政策金利を9.50%から一気に20.00%に引き上げた。また、同時に資本流出規制や株式市場の閉鎖など緊急対策も講じている。4月8日の2回目の臨時会合で、景気支援のため、3.00ポイントの大幅利下げを決め、利下げサイクルに転換。今回の利下げで3会合連続となる。この結果、4月以降の利下げ幅が計9.00ポイントに達し、ウクライナ有事後の緊急利上げ分(10.50ポイント)の大半を打ち消した。

 中銀は会合後に発表した声明文で、追加利下げを決めたことについて、「ロシア経済の外部環境は依然として困難で、経済活動を著しく制約している。同時に、インフレは一段と速いペースで減速している」、「インフレリスクはまだかなり残っているが、上昇リスクは低下し続けている」とし、インフレ抑制の効果が現れ始めた一方で、急激なルーブル高による経済への悪影響を排除し、景気を支援する必要性がるとの認識を示した。

 5月のインフレ率は前年比17.1%上昇と、4月の同17.8%上昇から鈍化している。

 インフレ見通しについては、「われわれの予測では、金融政策のスタンスを考えると、インフレ率は22年に14−17%上昇(前回4月29日会合時は18−23%上昇)となり、23年には5−7%上昇(同5−7%上昇)に低下。24年には物価目標の4%上昇に戻る」とし、22年のインフレ見通しを改善方向に修正した上で、23年と24年の見通しを据え置いた。

 市場では、今回の追加利下げについて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に加え、最近の急速なルーブル高が急速に収縮しているロシア経済をさらに悪化させる要因となっているため、ルーブル高によるインフレ抑制策を終了させたい狙いもあると見ている。この点について、中銀も声明文で、前回会合時と同様、「インフレ圧力は、ルーブル相場の変動と家計部門や企業のインフレ期待の顕著な低下を背景に緩和している」との認識を示している。

 今後の金融政策については前回会合時と同様、「金融政策の決定は、今後のロシア経済の変革に伴う、インフレとインフレ期待の動向を考慮する」とした上で、「次回の会合で主要政策金利の引き下げの必要性について検討する」とし、これまでの「利下げは可能」からややタカ派寄りの見解にシフトした。

 中銀のエルビラ・ナビウリナ総裁は会見で、「インフレが持続的に低下すれば、それに応じて、主要政策金利は徐々にさらに引き下げられる」と述べており、市場では当分の間、利下げは継続されるが、大幅利下げの時期が過ぎ、次回はこれまでより小幅な利下げになると見ている。

 政策金利の見通しについては、「22年の主要政策金利は平均で10.8−11.4%、23年が7−9%、24年は6−7%になる」と予想している。ただ、6月14日以降、年末までの政策金利については8.5−9.5%を予想している。

 GDP(国内総生産)見通しについては、従来予想で22年8−10%減と、供給サイドの問題でマイナス成長となるとしたが、今回の会合では、「前回見通し(8−10%減)よりも減少幅は小さくなる」と、改善方向に修正した。

 次回の定例会合は7月22日に開かれる予定。

<関連銘柄>
 WTI原油<1671>、ガス<1689>、原油<1690>、
 野村原油<1699>
提供:モーニングスター社