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<新興国eye>タイ中銀、政策金利を賛成多数で据え置き―3委員が0.25ポイント利上げ主張
2022-06-09 11:03:00.0
タイ中央銀行は8日の金融政策委員会で、政策金利である翌日物レポ金利を過去最低水準の0.50%に据え置くことを4対3の賛成多数で決めた。3委員は0.25ポイントの利上げを主張し、据え置きに反対票を投じた。据え置きは市場予想通りだった。
中銀は20年の2月会合で政策金利を0.25ポイント引き下げたあと、3月20日の緊急会合で、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の悪影響によりタイ経済のリセッション(景気後退)懸念が強まったとして、追加で0.25ポイント引き下げた。その後、5月に20年で3回目となる利下げを実施したが、20年6月に現状維持に転換。今回で据え置きは16会合連続となる。
中銀は会合後に発表した声明文で、政策金利を据え置いたことについて、「景気回復の勢いが予想通りに増し続けることを確実にするために、ほとんどの委員は政策金利を維持することに投票したが、今後の経済成長とインフレに対するリスクを見直す」とした。また、3人の委員が反対票を投じたことについて、「経済成長とインフレの両方に対する上向きリスクが高まっていることを考えると、政策の正常化が必要であると考えている」とした。
景気については、「タイ経済は引き続き回復し、内需の拡大と外国人観光客の増加により、以前の予想よりも早く拡大する可能性がある」との見方を示した。
中銀が今回の会合で公表した最新の経済予測によると、インフレ見通しについては、22年のインフレ率(全体指数)を6.2%上昇と、前回3月予想時の4.9%上昇から引き上げた。23年は2.5%上昇と予想し、これも前回予想時の1.7%上昇から引き上げ、「物価目標の範囲の上限を超える」としている。ただ、「中期的には物価目標の範囲内に収束する」と予想している。
タイ経済の成長率見通しについては、22年を3.3%増と予想し、前回予想時の3.2%増から上方修正したが、23年は4.2%増と予想し、前回予想時の4.4%増から下方修正した。
今後の金融政策については、「物価の安定を維持し、持続可能で潜在的な経済成長を支援し、金融の安定を維持することを目的とした金融政策の枠組みの下で、景気回復が引き続き力強さを増しているが、その一方で、インフレ上ブレリスクが高まっている」とした上で、「極めて緩和的な金融政策は今後必要なくなる」と金融引き締めに転換する可能性を示唆した。
次回会合は8月10日に開催される予定。
<関連銘柄>
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上場MSエマ<1681>、アセアン50<2043>
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