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<新興国eye>ブラジル中銀、1.00ポイント利上げを決定―次回利上げ幅縮小へ
2022-05-06 09:01:00.0
ブラジル中央銀行は4日の金融政策決定委員会で、最近の急速なインフレ上昇を受け、期待インフレを抑制するため、政策金利(セリック)である翌日物金利誘導目標を1.00ポイント引き上げ、12.75%とすることを全員一致で決めた。市場予想通りだった。
中銀はインフレの急加速を受け、21年3月会合で15年7月以来、5年8カ月ぶりに利上げに転換。5月と6月は各0.75ポイント、8月は1.00ポイント、10月と12月は各1.50ポイントの大幅利上げを実施。2月会合でも同率の大幅引き上げを決めたが、前回3月会合と今回の会合では上げ幅を1.00ポイントに縮めた。利上げはこれで10会合連続。21年3月以降の利上げ幅は計11.00ポイントに達し、政策金利は17年2月以来5年3カ月ぶりの高水準となった。
中銀は会合後に発表した声明文で、追加利上げについて、前回会合時と同様、「インフレ見通しに対するリスクは上ブレ・下ブレの両リスクがある。コモディティ(国際相場商品)相場が元に戻り、インフレ率が低下する可能性がある一方で、財政政策(財政肥大化)による金融市場への悪影響やソブリン債のリスクプレミアム(国債金利に対する上乗せ金利)の上昇リスクがある」としたが、「(インフレ見通しに対する)リスクのバランスは上向き」とし、インフレ率が経済予測をオーバーシュートする懸念を強調した。
外的要因によるインフレへの影響について、「中国でのコロナ感染拡大とウクライナ情勢悪化に伴う供給ショック(突発的な供給不足)がすでに高まっているインフレ圧力をさらに高めている。先進国の中銀の利上げが新興国の金融市場を不安定にしている」とし、中国のコロナ感染拡大が新たなインフレ加速要因となり、外部環境が前回会合時よりも一段と悪化したとの認識を示した。その上で、「今回の利上げ決定は将来のインフレの見通しに対する不確実性やリスクバランスの変動(インフレ上ブレリスク)が通常よりも高いことを反映している」としている。
今後の金融政策については前回会合時と同様、「インフレ加速の見通しや長期のインフレ期待の上昇リスクを考えると、金融引き締めを制限領域(景気に打撃を与えることになる政策金利の水準)にまで大きく進めることは適切であり、ディスインフレ(物価上昇率の鈍化)のプロセスと物価目標近辺でのインフレ期待が確実になるまで、この戦略を続ける」と利上げサイクルを継続する考えを示した。また、「次回の会合で、金融引き締めサイクル(利上げ)を延長するが、(今回よりも)小さな規模の調整(利上げ幅の縮小)を予見している」とした。
市場では利上げサイクルが今回の会合で終了するかどうかに注目していたが、中銀は延長を決めた。背景にはインフレ率が22年と23年に高くなるとの見通しがある。中銀はインフレ見通しについて、「原油価格が年末時点で1バレル=100ドルとなると想定し、22年のインフレ率を7.3%上昇、23年を3.4%上昇と予想している」としたが、中銀の22年と23年の物価目標(それぞれ3.5%上昇と3.25%上昇)をオーバーシュートする見通しだ。
次回の金融政策決定会合は6月14−15日に開かれる予定。
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提供:モーニングスター社




