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新興国ニュース

<新興国eye>インド準備銀行、政策金利据え置き―超金融緩和終了を示唆

2022-04-11 10:02:00.0

 インド準備銀行(RBI)は8日の金融政策決定会合で、流動性調節ファシリティー(LAF)の主要政策金利であるレポ金利(RBIの市中銀行への翌日物貸出金利)を過去最低水準の4.00%に据え置くことを全員一致で決めた。市場予想通りだった。現状維持は11会合連続となる。

 また、当分の間、超金融緩和スタンスを継続することを全員一致で決めた。ただ、声明文では、「(当面)金融緩和スタンスを維持するが、インフレの物価目標への収束と景気支援を両立させる形で、緩和脱却を目指す」とし、超金融緩和政策から徐々に脱却するフォワードガイダンス(金融政策の指針)を初めて示した。

 これまでは、「成長を持続的に回復させ、コロナ禍の影響を緩和し続けるために必要な限り、政策金利を4.00%に据え置き、緩和的なスタンスを継続する」とのガイダンスを19年後半から維持していたが、今回の会合ではこのガイダンスを削除した。

 超金融緩和から脱却の兆しとして、RBIは金融システムから余剰流動性(8兆3000億ルピー)を吸収する新しい措置を導入した。LAFのリバースレポ金利(市中銀行のRBIへの預金金利)を3.35%から3.75%に引き上げ、市中銀行が資金ひっ迫時にRBIから政府債を担保に資金を借りることができる流動性供給スキーム「MSF(マージナル・スタンディング・ファシリティー)」と公定歩合はそれぞれ4.25%に据え置いている。この金利の上下幅(コリドー)の縮小について、シャクティカンタ・ダスRBI総裁は、金融当局が金融システムの余剰現金を吸収できるようにする措置と指摘している。

 RBIは今回の決定にあたって考慮した事項について、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の開始(2月24日)と、それに伴う西側諸国の対ロ経済制裁によるインフレ圧力の一段の上昇と経済成長の見通しの下ブレリスクを挙げた。

 声明文では、「地政学紛争(ロシアとウクライナの戦争)の激化とそれに伴う(対ロ)制裁により、世界の経済と金融環境は悪化した」とし、国内的にも「地政学的緊張の高まりや、世界的なコモディティ(国際相場商品)価格の上昇、サプライチェーンの混乱の長期化の可能性、各国中銀の金融政策の多様な対応、世界的な金融市場の急変動はインフレの上昇リスクと成長の下ブレリスクとなっている」とした。

 インフレ見通しについては、「インフレ率(全体指数)が1月の前年比6%上昇から2月は同6.1%上昇に加速し、物価目標のレンジの上限(6%上昇)を超えた」とし、「インフレの今後の動向は、地政学的状況(ウクライナ情勢)と、それが世界のコモディティ価格とロジスティクスに与える影響に大きく依存する」とした。

 その上で、RBIは今回の会合で、22年度(22年4月−23年3月)のインフレ予測を前年比5.7%上昇と、前回会合時の4.5%上昇から引き上げた。22年度の四半期別見通しは第1四半期(4−6月)が同6.3%上昇(前回会合時は同4.9%上昇)、第2四半期(7−9月)を同5.8%上昇(同5.0%上昇)、第3四半期(10−12月)を同5.4%上昇(同4.0%上昇)、第4四半期(23年1−3月)を同5.1%上昇(同4.2%上昇)と、いずれも引き上げた。

 景気見通しについては、前回会合時と同様、「不安定な金融市場やコモディティ価格の上昇、持続する世界的なサプライチェーンの寸断は景気見通しの下ブレリスクとなっている」との見方を示した。

 その上で、原油価格が1バレル=100ドルで推移すると想定し、22年度の実質GDP(国内総生産)見通しを7.2%増と、前回会合時の7.8%増から下方修正した。また、22年度の四半期別見通しでは、第1四半期(4−6月)を同16.2%増(前回会合時は17.2%増)、第2四半期(7−9月)を同6.2%増(同7.8%増)、第3四半期(10−12月)を4.1%増(同4.3%増)、第4四半期(23年1−3月)を4%増(同4.5%増)と、いずれも下方修正した。

 次回の金融政策決定会合は6月6−8日に開かれる予定。

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提供:モーニングスター社