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新興国ニュース

<新興国eye>北九州市の外郭団体などがカンボジアの水道事業に本格参入

2022-04-08 10:31:00.0

 3月23日、北九州市やクボタ<6326>傘下のクボタ建設は、日系企業5社によるコンソーシアム(共同事業体)が、カンボジアのカンダール州タクマウ市における「タクマウ上水道拡張事業」を受注したと発表しました。

 この事業は20年5月に日本政府とカンボジア政府が調印した、事業・運営権対応型無償資金協力の一環で、タクマウ市内に新設する浄水場の設計・建設と運営を行うものです。

 コンソーシアムに参加した企業は、クボタ建設(土木・建築工事、取水施設、ポンプ設備)、神戸製鋼所<5406>傘下の神鋼環境ソリューション(浄水施設、受電設備、機械設備)、メタウォーター<9551>や安川電機<6506>が出資する北九州ウォーターサービス(制御・計装設備、運転指導)、建設技術研究所<9621>傘下の建設技研インターナショナル(土木・構造物設計、設計図書全体取りまとめ)、TECインターナショナル(報告書類作成など)の5社となっています。

 北九州市が企画から深く関わってきた「タクマウ上水道拡張事業」について、北九州市の外郭団体である北九州ウォーターサービスを含む、北九州市海外水ビジネス推進協議会(KOWBA)の会員企業5社が受注したとしています。自治体が出資する外郭団体として海外の水道事業に参画するのは、日本で初めてとのことです。なお、北九州市は外郭団体である北九州ウォーターサービスと連携し、事業全体を通じて技術支援を実施するとしています

 この事業は、通常の無償資金協力事業と異なり、カンボジアで浄水場などを建設した後、現地で10年間の水道事業運営を受注企業が行います。受注金額のうち施設整備費は28.8億円です。供給能力3万立方メートル/日の浄水場などを建設することにより、およそ8万人のタクマウ市民の水不足を解決し、カンボジアのSDGs(持続可能な開発目標)達成に大きく寄与します。

 日本の水道事業は、ほとんどが自治体主体のため、海外での水道事業の運営に日本企業が参入することが難しいといわれてきました。北九州市がプノンペン水道での長い経験を活かして、この状況を突破していこうとすることには大きな意義があります。今後のさらなる展開が期待されます。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社