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新興国ニュース

<新興国eye>カンボジアの通貨リエル再導入42周年の記念式典「リエルデー」を開催

2022-04-01 11:05:00.0

 3月20日、カンボジアの通貨「リエル」を再導入して42年となることを記念する式典「リエルデー」の様々なイベントが、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)の主催で開催されました。今回は、プノンペンのチップモンショッピングモールで、様々な展示や音楽イベントなども開催されました。地方の4州でも展示会が開催され、クメールタイムス紙上で、リエル化促進のための記事の掲載も行われました。

 原始共産制を標榜したポル・ポト政権は、通貨を廃止し、中央銀行も破壊してしまいました。ポル・ポト政権がプノンペンを追われた直後の1980年3月20日に、通貨「リエル」が再導入されました。しかし、その後の内戦等の混乱もあって、カンボジアではドル化が進み、金融取引の8割、預金の9割以上が外貨建て(主にドル)となっています。

 ドル化は、カンボジアへの海外投資誘致にはプラスの効果があります。一方、中央銀行による金融政策(政策金利や通貨供給量調節など)の実施が困難であること、ドルと他通貨(円、ユーロ、中国人民元、タイバーツなど)の為替変動にさらされるといったドル化のマイナス面も目立ってきています。

 NBCでは、脱ドル化のプラス面として、地方部での金融アクセス改善、外貨準備の強化、通貨発行益の確保、偽札の排除なども訴えています。

 今回は、ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁を目の当たりにしたためか、「脱ドル化」がかなり強調さているように見られます。ドル化経済で、同じような制裁が行われた際のインパクトが相当に大きいと懸念されるためとも見られます。

 NBCでは、脱ドル化を緩やかに進める方針で、公務員給与のリエル建て化、株式市場の建値のリエル使用など、リエルの使用促進を段階的に進めています。また、中央銀行デジタル通貨バコンによるリエル使用促進効果にも大きく期待しています。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社