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新興国ニュース

<新興国eye>インドネシア中銀、政策金利を据え置き―5月利上げ開始との見方も

2022-03-18 09:47:00.0

 インドネシア中央銀行(BI)は17日の理事会で、主要政策金利の1週間物リバースレポ金利を過去最低水準の3.50%に据え置くことを決めた。市場の予想通りだった。また、過剰流動性を吸収するための翌日物預金ファシリティー金利(FASBIレート)を2.75%、翌日物貸出ファシリティー金利を4.25%と、いずれも据え置いた。

 また、市場流動性の正常化(過剰流動性の吸収)に取り組むため、市中銀行によるSBN(短期国債)の購入や、市中銀行が中銀に預けるルピア建て準備預金の法定準備率(SRR)を3月から9月にかけて、現在の3.50%から6.50%にまで段階的に引き上げる方針も再確認した。中銀は「3月1日以降の法定準備金に対するインセンティブ(準備率の5%への引き上げ)により、ネットベースで約55兆ルピアの流動性が銀行から吸収される」としている。

 中銀はコロナ禍が始まった20年2月、景気を支援するため、利下げを再開し、同年7月まで4会合連続で利下げを決めた。国内経済が2期連続でマイナス成長となった11月と21年2月にも利下げを実施したが、翌3月会合から据え置きに転じ、今回で現状維持は13会合連続となる。

 中銀は政策金利を据え置いたことについて、前回2月会合時には見られなかった、ロシアによるウクライナ侵攻と、それに伴う西側の対ロ経済制裁でインフレ圧力が一段と高まるという外部環境を踏まえた上で、インフレ抑制と景気回復の維持の両方に配慮して政策金利を据え置いたとしている。

 中銀のペリー・ワルジョ総裁は、会合後の会見で、「(値動きの激しい食品やエネルギーを除いた)コアインフレ率で見て、インフレ圧力の兆候が現れるまで3.50%を維持する」とした。同国のインフレ率は、2月が前年比2.06%上昇と前月の同2.18%上昇を下回り、物価目標(2−4%上昇)のレンジの下限で落ち着いている。

 今後の金融政策については、ルピア相場の安定(過度の相場下落阻止)のため、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映した動きとなるよう、(ドル売り・ルピア買いの)市場介入を実施するとした。

 特にルピア相場の見通しに対するリスクついては、ウクライナの地政学的緊張の高まりを受けた、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利の引き上げや、他の先進国の金融政策の正常化(利上げ調整)の加速に加え、世界の金融市場の不確実性の高まり、セーフヘイブン(安全な投資先)への資本逃避リスク、インドネシアを含む新興国の為替相場の下ブレ圧力をもたらすと懸念を示している。

 景気見通しについては、「22年の成長率はワクチン接種の加速や経済再開の拡大、中銀と政府の継続的な景気刺激策に支えられ、4.7−5.5%増となる」とし、前回会合時の見通しを据え置いた。

 市場ではFRBが利上げを継続するにつれ、インドネシア中銀も政策金利の決定で困難に直面する可能性があると見ており、早ければ5月にも米国との金利差を消し、通貨や債券の暴落を防ぐため、0.25ポイントの利上げに向かうと見ている。

 次回会合は4月18、19日に開かれる予定。

<関連銘柄>
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提供:モーニングスター社