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<新興国eye>日本カンボジア官民合同会議を開催―政策提言書を提出
2022-03-11 13:08:00.0
日本とカンボジアは、日本・カンボジア投資協定に基づき、概ね1年に1−2回の定期協議会を実施しています。今年は2月18日に第23回官民合同会議が開催されました。今回は新型コロナ対策のため、主要メンバーのみカンボジア開発評議会に集まり、関係者はオンラインで参加しました。三上正裕日本大使とソク・チェンダ・ソピア首相補佐特命大臣兼カンボジア開発評議会(CDC)事務総長が共同議長を務めました。会議には、カンボジア側は関係省庁の関係者、日本側は日本人商工会、JETRO(日本貿易振興機構)、JICA(国際協力機構)などの関係者が約100名参加しました。
この合同会議では、カンボジアの投資環境を改善するために、日本企業が直面する問題について、政策・法律といった大きな課題から、事務手続きの改善といった個別の課題まで、幅広く取り上げられてきています。今回の会議では、労務関連(最低賃金の上昇幅、年功補償)、税制関連(駐在員事務所の給与税の納付方法、VAT〈付加価値税〉還付の遅延)、関税物流関連(タイ・ベトナム国境通関の迅速化、CNSW〈貿易手続き電子化・一本化〉の推進/輸出入書類のペーパーレス化)、投資関連(電力料金低減・停電モニタリング、並行輸入に関する諸問題)、二国間協力(産業人材育成)等の分野を中心に報告・議論されました。
また、21年に続き「政策提言書」が日本側からカンボジア側に提出されました。前年と比べると、製造業でのVATの取扱い、原産地証明書の費用等、二つの課題が解決しました。今回の提言書では、引き続き8課題が継続協議となっています。
多数の問題があり、すぐには解決できないものもありますが、個別の課題について一つ一つ地道に取り組んで解決していくことが重要と見られます。また、日本側も、問題を指摘するだけでなく、解決案の提示や、各省庁担当者と詳細な個別協議を行うなど、カンボジア側と協力して対応する姿勢です。
この会議を通じてこれまでも、カムコントロール(関税とは別に輸出手続きを要するカンボジア独特の制度)の国境検査廃止、電力料金の引下げ方針など、いくつもの問題が解決されてきています。こうした地道な取り組みが、カンボジアの投資環境の改善とカンボジアでの日系企業の発展、さらには、カンボジア経済の成長と日本・カンボジアの二国間の友好関係の深化に繋がることが大いに期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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