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<新興国eye>マレーシア中銀、予想通り金利据え置き―「ウクライナ戦争は主要リスク」と警戒
2022-03-07 09:20:00.0
バンク・ネガラ・マレーシア(中銀)は3日の金融政策決定会合で、「ウクライナ戦争が主要リスク」と警戒感を示した上で、引き続き国内経済を支援するため、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を過去最低の1.75%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。
中銀は20年1月、経済成長の上昇軌道を確実にするための予防的措置として、8カ月ぶりに利下げを再開した。コロナ禍が始まった3月には追加利下げを実施。その後も4会合連続で利下げし、利下げ幅は計1.25ポイントに達した。20年9月から金利据え置きに転換しており、これで現状維持は10会合連続となる。
中銀は会合後に発表した声明文で、景気の見通しについて、「マレーシア経済は21年の成長率が3.1%増となった。今後、労働市場の改善と政府の選択的な景気支援策が進む中、世界的な需要拡大と民間投資の増加により、22年の経済成長の回復は一段と強まる」とした。
また、オミクロン株の感染拡大については、「(感染対策として一部導入していた入国規制を緩和し)予定されている国境開放が景気回復をさらに支援する。オミクロン株の感染拡大による経済的影響は厳しい制限がなくなれば、以前に比べそれほど深刻にはならないと予想される」とし、景気回復に自信を見せた。市場では国境開放は早ければ4月にも実施されることから、22年の成長率見通しを21年の3.1%増から5.5−6.5%増に加速すると予想している。
一方、中銀は新たな景気リスク要因として、ロシアによるウクライナ侵攻を挙げた。声明文で、「ウクライナ軍事紛争を取り巻く外部環境のさまざまな進展は、世界経済の成長と貿易の見通し、コモディティ価格、金融市場に対する主要なリスクとして浮上してきた」とした上で、「マレーシア経済の見通しに対するリスクは、内外の要因により、引き続き下ブレだ。この中には予想よりも弱い世界経済の成長や地政学リスク、サプライチェーンの混乱の悪化、オミクロン株が含まれる」と懸念を示している。
インフレの見通しについては、前回1月会合と同様、「22年は燃料費の上昇の影響がなくなるため、緩やかな伸びにとどまる見通し。コアインフレ率も経済活動の正常化に伴い、上昇傾向を示すが、緩やかな伸びを維持する」とインフレ加速は一時的との見方を変えていない。
今後の金融政策の見通しについては、前回会合時と同様、「(現在の)金融政策のスタンスは適切で、金融緩和となっている。政府の財政措置は経済活動を支援し続ける」とし、その上で、「不確実性が高まる中、今後の金融政策スタンスは新たなデータや情報、インフレと景気の見通しに対するリスクを勘案して決められる」とした。
次回の会合は5月11日に開かれる予定。
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