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<新興国eye>21年のカンボジアから日本向けの輸出、対前年比で増加
2022-02-18 12:21:00.0
日本の財務省貿易統計によりますと、21年のカンボジアから日本への輸出額は、対前年比10.8%増の1915億8895万円でした。また、カンボジアの日本からの輸入額は、対前年比22.7%増の635億4077万円でした。
カンボジアから日本への主力輸出品である縫製関係は健闘しました。衣類(構成比63.8%)は対前年比8.9%増の1221億4265万円、はき物(構成比10.9%)は10.7%増の209億3794万円、バッグ類(構成比8.6%)は12.0%増の165億1690万円となりました。また、日系企業が製造していると見られる自動車部品のワイヤーハーネス等の電気機器(構成比8.4%)は、23.4%増の161億6011万円と大幅増加でした。
日本からの輸入品では、一般機械(構成比16.9%)が対前年比6.3%減の107億3805万円となりました。プルドーザー等の建設用機械は14.0%増でしたが、エアコンが46.1%減となったためです。また、電気機器(構成比10.8%)も6.9%減の68億6023万円となっています。しかし、輸送用機器(構成比16.5%)は21.8%増の104億7815万円となりました。自転車および同部品(構成比9.1%)が43.2%増の57億6204万円となったためです。このほか、肉類(構成比25.3%)も96.6%増の160億9779万円となりました。多くは高級和牛と思われます。
21年の対日貿易については、新型コロナの影響を受けて減少するものと見られていました。しかし、輸出については、予想外の健闘を見せた縫製・はき物・バッグ等の伝統的輸出品に加えて、日系企業製造の電気機器の輸出が増加して、総額でも堅調な増加となりました。輸入も増加しましたが、輸入増加額約118億円のうち、肉類の増加額約79億円が67%を占めています。肉類は、そのほとんどが中国に再輸出されていると見られるため、日本からの輸入の実質的増加は見かけよりもかなり小さいとも言えます。
カンボジアからの輸出先は、EUと米国で7割程度を占めており、さらに最近中国向けも急速に増加しています(21年15億ドル:約1700億円)。こうした中で、日本向けのも順調に伸びていることは、カンボジア経済にとって重要な輸出先の多様化や輸出品目の多様化に貢献するものであり、引き続き官民協力しての輸出振興に向けた努力が期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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