youtube fund_beginer fund_search fund_look

新興国ニュース

<新興国eye>カンボジア、順調なら27年に後発開発途上国から卒業へ

2022-02-10 12:25:00.0

 1月17日、国連等の主催により、カンボジアの後発開発途上国(LDC)からの卒業準備に関するワークショップが開催されました。

 後発開発途上国と認定される基準は、
(1)1人あたりGNI(国民総所得、3年間平均)が1018ドル以下(2)HAI(Human Assets Index:人的資源開発の程度を表すために設定した指標で、栄養不足人口の割合、5歳以下乳幼児死亡率、妊産婦死亡率、中等教育就学率、成人識字率を指標化)が60以下(3)EVI(Economic Vulnerability Index:外的ショックからの経済的脆弱性を表すために設定した指標で、人口規模、地理的要素、経済構造、環境、貿易のショック、自然災害のショックから構成)が36以上――となっています。

 現在カンボジアを含む46カ国が後発開発途上国に分類されています。

 また、後発開発途上国を卒業する基準は、
(1)1人あたりGNI(同)が1222ドル以上(2)HAIが66以上(3)EVIが32以下――となっています。

 カンボジアは現在、すでにGNIが1377ドル、HAIが74.3、EVIが30.6と、いずれも卒業基準を満たすレベルに改善しています。カンボジアから国連へ要請することを前提に、次回24年に予定される国連のレビューで検討され、問題なければレビューから3年間の移行期間を経た後の27年にカンボジアは後発開発途上国を卒業する方向となります。

 後発開発途上国には、欧米や日本から特別特恵関税等の優遇措置が受けられるなどの利点があります。カンボジアもこの点を活用して、縫製品や靴を先進国に無関税で輸出し、輸出を増大させてきました。カンボジアが後発開発途上国から卒業した場合には、ネガティブな影響もあるものと見られますので、自由貿易協定の拡充など、十分な準備を行う必要があるものと見られます。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

提供:モーニングスター社