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<新興国eye>ルーマニア中銀、0.25ポイント追加利上げを決定―予想下回る
2022-01-12 11:00:00.0
ルーマニア国立銀行(中銀)は10日の金融政策決定会合で、最近の急激なインフレ上昇を抑制するため、主要政策金利である1週間物レポ金利を1.75%から0.25ポイント引き上げ、2.00%とすることを決めた。市場では0.50ポイントの大幅利上げを予想していた。
また、中銀はこれまで主要政策金利の「±0.75ポイント」のレンジの上限としていた市中銀行に資金供給するためのロンバート型貸出金利についても、「±1.00ポイントのレンジの上限」に変更し、同金利を2.50%から3.00%に引き上げた。下限にあたる資金吸収のための預金金利については1.00%に据え置いた。
中銀は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による国内経済への悪影響を緩和するため、20年3月20日の緊急会合で政策金利を0.50ポイント引き下げ、5月と8月も各0.25引き下げた。21年1月会合でも0.25ポイント引き下げ、利下げ幅が20年以降、計1.25ポイントに達したことを受け、3月会合から据え置きに転じた。しかし、最近の急速なインフレ上昇を抑制するため、10月会合で18年5月以来3年5カ月ぶりに利上げに転換。利上げは3会合連続で、利上げ幅は計0.75ポイントとなった。
金融システム内の流動性を適切に管理するため、市中銀行が中銀に預ける預金準備率については、自国通貨建ての預金準備率を8.00%に、外国通貨建ての預金準備率も5.00%にそれぞれ据え置いた。
中銀は会合後に発表した声明文で、追加利上げを決めたことについて、「コアインフレ率(間接税率の変更の影響を除くため一定税率ベースでみたコアインフレ率)は11月が4.3%上昇と、10月の4.0%上昇や9月の3.6%上昇から伸びが加速している」とした上で、「生産やサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)を反映して一段と高まっている短期のインフレ圧力により、インフレ見通しは悪化している。インフレ率は今後数カ月にわたって徐々に上昇し、21年11月に発表した経済予測を超える可能性がある」と、強いインフレ懸念を示した。
21年11月の最新の四半期インフレ報告書によると、インフレ率は22年半ばまで急上昇が続き、主にエネルギー価格の高騰により、物価目標レンジを上回り、前回予測を上回るとしている。ただ、23年7−9月期にはベース効果と、需要過多の状況が緩和し、インフレ率は物価目標のレンジ内に戻ると見ている。
市場予想を下回る小幅利上げとなったことについては、「21年7−9月期の経済成長率は前期の前年比13.9%増から予測を大幅に下回る同7.4%増に急減速した。10−12月期もオミクロン株やエネルギー危機、サプライチェーンのボトルネックにより、伸びが停滞する」とし、大幅な利上げが景気悪化リスクを高めることに配慮したとしている。
今後の金融政策の見通しについては、「持続可能な経済の達成につながる方法で、より長期にわたるインフレ期待の抑制を通じ、2.5%±1.0ポイントの物価目標に合致するインフレ率を取り戻し、維持することを目指す」とし、景気支援とインフレ抑制の両立を目指す考えを示した。その上で、前回会合時と同様、「中期的な物価安定の達成に必要なあらゆる手段を講じる用意がある」としている。
次回会合は2月9日に開かれる予定。
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提供:モーニングスター社




