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<新興国eye>カンボジア中央銀行、金融リテラシー向上キャンペーンをスタート
2021-12-17 11:55:00.0
12月3日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、カンボジア国民の金融リテラシーの向上を図るためのキャンペーン「お金の話をしよう:少しずつ(“Let’s talk Money:Little by Little”)」を開始する式典を開催しました。オンライン参加を含めて金融機関関係者や大学生など400名以上が参加しました。
このキャンペーンは、19年に発表された「国家金融包摂戦略2019−2025」に沿ったものです。NBCでは、金融リテラシーの向上は、金融包摂の促進と、多重債務の削減に大きく寄与するものであるとしています。今回のキャンペーンでは、「お金をより良く管理しよう」、「不測の事態に備えよう」、「あなたの権利と義務を知ろう」といったテーマについて情報の周知や教育が行われるとのことです。NGO(非政府組織)や国際機関などの多くのステークホルダーが参加する見込みで、動画の配信や、学校などでの教育に加えて、特に農村部で非公式金融を利用している人々への情報提供を行っていく計画です。
カンボジアでは教育が不十分な状況のため、金融を利用する際に金利や返済期間などの貸付条件が理解できなかったり、返済計画が不十分であったりする例もあるものと見られます。マイクロファイナンス機関の職員やNGOなどが、借入人の理解促進を図っていますが、知識や理解の不足から多重債務となってしまうこともある模様です。
カンボジアでは、スマホやインターネットの普及に伴い、銀行支店の無い農村部などでも比較的容易に金融にアクセスできるようになりつつあります。農村部や零細企業の金融へのアクセスは、経済成長だけでなく格差是正などにも欠くことができない重要な課題です。
金融包摂を振興していくためにも金融リテラシーの向上は前提条件となるものです。NBCを中心として多くのステークホルダーの参加を得て、金融リテラシー向上のための努力が続けられていくことが期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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