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<新興国eye>インド中銀、政策金利据え置き―オミクロン株による景気後退懸念強める
2021-12-09 10:40:00.0
インド準備銀行(中銀)は8日の金融政策決定会合で、流動性調節ファシリティ(LAF)の主要政策金利であるレポ金利(中銀の市中銀行への翌日物貸出金利)を過去最低水準の4.00%に据え置くことを全員一致で決めた。市場の予想通りだった。
中銀は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、20年の3月27日の緊急会合で1年1カ月ぶりに利下げを実施。5月22日の緊急会合でも2会合連続の利下げを決めたが、その後は据え置きに転じており、今回で9会合連続の現状維持となる。
また、LAFのリバースレポ金利(市中銀行の中銀への預金金利)を3.35%に、市中銀行が資金ひっ迫時に中銀から政府債を担保に資金を借りることができる流動性供給スキーム「MSF(マージナル・スタンディング・ファシリティー)」と公定歩合をそれぞれ4.25%に据え置いた。
今後の超金融緩和スタンスの継続についても賛成多数で据え置いた。ジャヤント・R・バルマー委員は3会合連続で態度を保留した。バルマー委員の態度保留表明は現在の超金融緩和スタンスの巻き戻しを示唆する動きと見ている。
景気支援のための量的金融緩和(QE)政策については、中銀は10月会合で一時中断を決めている。これまで中銀は4−6月期に1兆ルピア、7−9月期に1兆2000億ルピアの国債を買い入れている。市場では今後、中銀がQEのテーパーリング(量的金融緩和の段階的縮小)に向かって動き出す可能性があると見ているが、ダス総裁は10月会合で、「金融緩和政策の調整」とし、「もし必要があれば、(国債買い入れを)再開する用意がある」とも述べ、さらに、「金融緩和スタンスの巻き戻しではない」、「金融緩和政策の(停止ではなく)一時休止だ」と、くぎを刺している。
一方、ダス総裁は、中銀が買い戻し条件付きで金融機関に債券を売却し、市場から資金を吸収する変動金利リバースレポ(VRRR)について、「14日間のVRRRにより、12月17日に6.5兆ルピア、12月31日に7.5兆ルピアの余剰流動性を吸収する」との方針を示した。VRRRは8月会合で拡大することが決まり、6−8月に7兆ルピア、9月に9兆ルピア、12月3日に6兆ルピアをVRRRにより吸収している。
中銀は景気見通しについて声明文で、「不安定なコモディティ(国際相場商品)相場や持続する世界的なサプライチェーンの寸断、オミクロン株の出現、不安定な金融市場は景気見通しの下ブレリスクとなっている」とした。
その上で、インドで新型コロナ感染が再拡大しないと仮定した場合の21年度(21年4月−22年3月)の実質GDP(国内総生産)伸び率を9.5%増と予想し、前回会合時の予想を据え置いたが、第3四半期(10−12月期)は前年比6.6%増(前回会合時は6.8%増)、第4四半期(22年1−3月期)は同6.0%増(同6.1%増)に引き下げた。22年度(22年4月−23年3月)は第1四半期(4−6月期)を同17.2%増(前回会合時と変わらず)、新たに第2四半期(7−9月期)を同7.8%増と予想した。
インフレ見通しについては、「工業原料価格の上昇や輸送コスト、世界的な物流とサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)によるコスト上昇圧力は、コアインフレ率に影響を与えている」としたが、政府介入による食用油の価格抑制などにより、21年度の見通しを前年比5.3%上昇と、前回会合時の予想を据え置いたが、四半期別の見通しは21年度第3四半期(10−12月期)を同5.1%上昇(前回会合時は4.5%上昇)、第4四半期(22年1−3月期)は同5.7%上昇(同5.8%上昇)に修正している。22年度第1四半期(4−6月期)は同5.0%上昇(同5.1上昇)、第2四半期(7−9月)も同5.0%上昇と予想している。
次回の金融政策決定会合は来年2月7−9日に開かれる予定。
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