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<新興国eye>インド準備銀行、政策金利据え置き―量的緩和は予想外の一時中断
2021-10-11 10:37:00.0
インド準備銀行(RBI)は8日の金融政策決定会合で、デルタ株感染拡大による経済への悪影響を緩和し、景気回復を支援するため、流動性調節ファシリティ(LAF)の主要政策金利であるレポ金利(RBIの市中銀行への翌日物貸出金利)を過去最低水準の4.00%に据え置くことを全員一致で決めた。市場予想通りだった。ただ、量的金融緩和(QE)政策の一時中止を決め、市場予想に反するサプライズとなった。
RBIは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の深刻な悪影響がインド経済に及ぶ恐れがあるとして、20年の3月27日の緊急会合で1年1カ月ぶりに利下げ(0.75%)に転じ、5月22日の緊急会合でも2会合連続の利下げ(0.40%)を決め、利下げ幅は計1.15%ポイントに達した。その後は据え置きに転じ、これで8会合連続の現状維持となる。
また、RBIはLAFのリバースレポ金利(市中銀行のRBIへの預金金利)も3.35%に、市中銀行が資金ひっ迫時にRBIから政府債を担保に資金を借りることができる流動性供給スキーム「MSF(マージナル・スタンディング・ファシリティー)」と公定歩合もそれぞれ4.25%に据え置いた。
RBIは会合後に発表した声明文で、現状維持を決めたことについて、前回会合時と同様、「今回の現状維持の決定は経済成長を支える一方で、インフレ率についても中期の物価目標の4%上昇(レンジは2−6%上昇)の達成を目指すというわれわれの目的と合致する」とした。
しかし、金融緩和スタンスの継続については、6人の委員の全員一致ではなく、前回8月会合に続いて1委員(ジャヤント・R・バルマー氏)がMPC(金融政策委員会)に対し難色を示した。RBIは声明文で、「バルマー氏はMPCがインフレは今後も目標の範囲内にとどまる限り、景気支援のため、金融緩和スタンスを維持するとした点について、態度を保留したlとしている。
今回の会合の特徴は量的金融緩和(QE)政策の一時中止を決めたことだ。これまでRBIは景気を支援するため、4−6月期に1兆ルピー(約1.5兆円)の国債買い入れを実施し、その後も7−9月期に1兆2000億ルピーの国債買い入れを行っている。市場では今回の会合で、10−12月期の国債買い入れを5000億ルピーに減額すると予想していた。しかし、RBIのシャクティカンタ・ダス総裁は会合後の会見で、「国債買い入れの必要性はない」と述べ、一時中断の考えを示した。市場では今後、RBIがテーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)に向かって動き出すと見ている。
ただ、ダス総裁はこうした動きを「金融緩和政策の調整」としている。「もし必要があれば、(国債買い入れを)再開する用意がある」とも述べており、さらに、「金融緩和スタンスの巻き戻しではない」、「金融緩和政策の(停止ではなく)一時休止だ」と、くぎを刺した。
景気見通しについては、21年度(21年4月−22年3月)のGDP(国内総生産)見通しを9.5%増とし、前会合時の見通しを据え置いた。四半期別の見通しは21年度第2四半期(7−9月)を前年比7.3%増(前回会合時の予想は7.3%増)、第3四半期(10−12月)を同6.8%増(同6.3%増)、第4四半期(22年1−3月)を同6.1%増(同6.1%増)と予想。また、22年度(22年4月−23年3月)の第1四半期(4−6月)を同17.2%増(同17.2%増)と予想した。ちなみに、20年度(20年4月−21年3月)の成長率は7.3%減だった。
インフレ見通しについては、21年度を前年比5.3%上昇と予想し、前回会合時の5.7%上昇から0.4ポイント引き下げた。四半期別の見通しも21年度第2四半期を同5.1%上昇(同5.9%上昇)、第3四半期を同4.5%上昇(同5.3%上昇)と、いずれも引き下げた。第4四半期は同5.8%上昇に据え置いた。22年度第1四半期も5.1%上昇に据え置いた。RBIは声明文で、前回会合時と同様に、「インフレ率の全体指数は上ブレリスクと下ブレリスクのバランスはほぼ均衡している」としている。
次回の金融政策決定会合は12月6−8日に開かれる予定。
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