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<新興国eye>チェコ中銀、予想外の0.75ポイント大幅利上げ―8月インフレ急伸受け
2021-10-01 11:42:00.0
チェコ国立銀行(中央銀行)は9月30日の金融政策決定会合で、デルタ株感染拡大が小康化し、経済活動の再開が進む中、インフレ加速リスクが一段と高まったとして、政策金利の2週間物レポ金利を0.75ポイント引き上げ、1.50%とすることを5対2の賛成多数で決めた。2委員は据え置きを主張した。今回の0.75%の利上げは24年ぶりの大幅引き上げとなる。市場では0.50ポイントの利上げを予想していたため、大幅利上げはサプライズとなった。新金利は10月1日から適用される。
中銀は20年の2月会合で、19年5月以来9カ月ぶりに利上げ(0.25ポイント)を再開したものの、パンデミック(第1波感染拡大)による経済への悪影響が強まったことを受け、翌3月16日に緊急会合を開き、急きょ0.50ポイント引き下げた。その後、3月27日の通常会合でさらに0.75ポイント、5月会合でも同率の大幅引き下げを決めた。この3会合連続の利下げにより、下げ幅は計2.00ポイントに達したことから、利下げの効果を見守るため、6月会合から前回5月会合まで8会合連続で据え置きに転じていた。前回6月会合で20年2月以来、1年4カ月ぶりに利上げを再開。これで利上げは3会合連続となった。6月以降の利上げ幅は1.25ポイントに達している。
中銀は大幅利上げを決めたことについて、「最新の8月経済予測では市場金利が21年半ばから上昇すると予想しているが、経済予測に対する不確実性とリスクは著しいインフレ上ブレとなっている。このため、政策金利は経済予測よりも高くする必要があると判断した」と指摘した。8月経済予測によると、3カ月物PRIBOR(プラハ銀行間取引金利)で見た市場金利の見通しは21年が0.90%、22年は1.90%、23年は2.20%を予想している。
国内のインフレ状況については、「7−9月期のインフレ率は物価目標のレンジの上限である3%上昇を超えている。7月のインフレ率(3.4%上昇)は8月経済予測を超え、8月は(4.1%上昇と)さらに伸びが加速し、予測を1ポイント上回った」とした上で、「経済予測によると、来年には物価目標(2%上昇)に近い水準に戻ると予想しているが、今後数四半期のインフレ見通しは国内外の景気回復が予想以上に強くインフレ圧力を高めるため、かなりの上ブレリスクがある」と懸念を示している。
8月経済予測では21年のインフレ率は3%上昇、22年は2.8%上昇、23年は2.1%上昇と予想している。21年の成長率見通しについては3.5%増、22年はさらに成長率が上昇(4.1%増)し、パンデミック前の水準に戻ると、楽観的な見通しを示している。
金融政策の見通しについては、「今回の0.75ポイントの強力な利上げはインフレ率を金融政策のタイム・ホライズン(時間軸)で物価目標に戻し、企業や家計部門のインフレ期待を抑制することを目指す」としたが、「企業や家計部門のインフレ期待は現在、物価目標の2%上昇をオーバーシュートしており、われわれは著しくオーバーシュートすることは容認しない。今後の金融引き締めペースは将来の経済動向と秋の経済予測の結果に左右される」とし、今後、一層のインフレ加速が予測される場合、追加利上げの可能性を示唆した。
次回の会合は11月4日に開かれる予定。
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提供:モーニングスター社




