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<新興国eye>タイ中銀、政策金利0.5%を据え置き―21年成長率見通しを下方修正
2021-09-30 12:10:00.0
タイ中央銀行は29日の金融政策委員会で、政策金利である翌日物レポ金利を過去最低水準の0.50%に据え置くことを全員一致で決めた。市場の大方の予想通りだったが、一部では0.25ポイントの利下げを予想していた。
前回8月会合時はデルタ株の感染拡大がピークに達し、経済への悪影響が懸念されたが、ここ数週間、感染拡大が小康化の兆しが見せ始めており、中銀は会合後に発表した声明文で、「経済の先行き見通しは依然、不確実性が高いが、ワクチン接種の加速と、予定より早い感染拡大抑制のための経済・社会規制措置の緩和が景気回復を支援する」と述べている。
また、今回の会合で発表した最新の経済予測で、21年GDP(国内総生産)成長率見通しをデルタ株感染拡大の悪影響により、前回6月予想時の1.8%増から0.7%増に下方修正した。22年の見通しについては景気回復が強まるとして6月予想時の3.9%増に据え置いた。前回8月会合時では3.7%増と予想しており、上方修正した。また、外国人観光客の見通しは、21年が6月予想時の70万人から20万人に、22年も1000万人から600万人に、それぞれ下方修正した。
中銀は20年2月会合で政策金利を0.25ポイント引き下げたあと、3月20日には緊急会合を開き、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の悪影響により、タイ経済のリセッション(景気後退)懸念が強まったとして、0.25ポイント引き下げた。その後、3月25日の定例会合では据え置いたが、パンデミックの悪影響が一段と強まった5月、20年で3回目となる、0.25ポイント利下げを行った。この結果、2月以降の利下げ幅が計0.50ポイントに達し、政策金利も過去最低のゼロ金利水準となったことから、6月会合で現状維持に転換。据え置きはこれで11会合連続となる。
会合後に発表した声明文で、前回会合時と同様、「景気回復を支えるため、低水準にとなっている政策金利をさらに引き下げるよりも、金融措置や流動性の潤沢供給、債務再構築(限定的な債務返済の凍結など)を強めることにより、企業や家計部門を支援する必要がある」とし、追加利下げよりも量的金融緩和(QE)による流動性の潤沢供給を優先させたい考えを改めて強調した。
今後の金融政策についも前回会合時と同様、「タイ経済の景気見通しに影響を与える、感染拡大の抑制措置の緩和や財政、金融、融資での景気支援措置の有効性を注視し、必要に応じ、追加の金融政策措置を講じる用意がある」としている。
次回会合は11月10日に開催される予定。
<関連銘柄>
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上場MSエマ<1681>、アセアン50<2043>
提供:モーニングスター社




