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<新興国eye>カンボジア21年GDP成長率、4%から2.4%に引き下げ―政府予想
2021-09-03 12:33:00.0
8月17日、カンボジア経済財政省はGDP成長率予測について21年度2.4%、22年度4.8%と発表しました。
21年度については、新型コロナの市中感染拡大の影響により、従来の4.0%から大幅に引き下げました。22年度については、ワクチン接種の進展により、社会・経済活動が再開し、経済は回復に向かうと予測しています。国会で行われた、22年度予算法策定のための財政政策およびマクロ経済政策枠組構築に関するワークショップで、オウン・ポン・モニロット経済財政大臣より発表されました。
モニロット大臣は、コロナ後の経済回復計画(21−23年)にも言及し、国際的サプライチェーンにリンクした高い輸出能力を支える産業基盤に立脚して、競争力強化と経済多様化の促進を図るとしています。高度経済成長に回帰するために、「経済回復策」、「改革」、「強靭性の構築」という3つの優先戦略を掲げました。「世界経済の行方は不透明だが、カンボジアは変化する状況に対応する能力を有している」(モニロット大臣)と述べ、優先戦略の実施によって、競争力強化と投資環境改善を促進し、海外からの投資やビジネス誘致に結び付けたいとしています。
カンボジア経済の主力である縫製品等の輸出は、世界経済の減速により、伸び悩んでいます。また、海外からの観光客がほぼゼロの状況が続き、観光業も大きな打撃を受けています。カンボジアも21年は市中感染の拡大によって、ロックダウン(都市封鎖)などの対策を余儀なくされ、経済にもネガティブな影響が及んでいます。カンボジア経済の主力産業の回復には、世界経済の回復が不可欠であり、22年以降、世界的なワクチン接種の進展や経済回復政策の継続が期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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