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<新興国eye>インドネシア中銀、政策金利を6会合連続で据え置き―市場予想通り
2021-08-20 11:40:00.0
インドネシア中央銀行(BI)は19日の理事会で、主要政策金利の1週間物リバースレポ金利を過去最低水準の3.50%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。また、過剰流動性を吸収するための翌日物預金ファシリティー金利(FASBIレート)は2.75%、翌日物貸出ファシリティー金利は4.25%と、いずれも据え置いた。
中銀は新型コロナウイルスのパンデック(世界的大流行)による景気悪化を受け、20年2月から7月まで4会合連続で利下げを実施。その後、11月会合、21年2月会合で利下げを再開し、利下げ幅は20年2月以降で計1.50ポイントに達したが、3月会合からは据え置いており、今回で6会合連続の据え置きとなる。
中銀は会合後に発表した声明文で、政策金利を据え置いたことについて、前回会合時と同様、「今回の据え置き決定は、低インフレが今後も続くと予想される中、景気回復を支援する一方で、(ドルに対し下落している)通貨ルピア相場と金融システムを安定させる必要性と合致する」とした。
その上で、今後の金融政策についても、前回会合時と同様、「景気回復の勢いを支援するため、金融緩和政策とマクロ・プルーデンスな政策(金融システムの安定を目指した政策)のポリシーミックス(複数の経済政策手段の一体運営)を最適化していく」とした。
具体的には、ルピア相場の安定(過度の相場下落阻止)のため、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映した動きとなるよう、(ドル売り・ルピア買いの)市場介入を実施すること、金融緩和スタンスの有効性を補完する公開市場操作(オペ)の強化を継続すること、としている。
ルピア相場については、「ルピア相場はわれわれの為替相場安定策と安定した海外からの資金流入により、(主要通貨に対し)強い状態が続いている」とした。8月18日時点のルピア相場は対ドルで、7月時点に比べ平均で0.89%のルピア高となっており、年初来では約2.24%安と、下げ幅が縮小したとしている。その上で、「タイやマレーシア、フィリピンに比べ、自国通貨安の進行は緩やかだ」とした。
中銀は、米長期金利の上昇によるドル高・ルピア安の進行に警戒感を持っており、海外への投資資金の流出を防ぐためには追加利下げは難しく、当面は金融緩和スタンスの維持には政策金利よりも量的金融緩和に重点を置かざるを得ない状況だ。
インフレ見通しについては、「7月のCPI(消費者物価指数)が前年比1.52%上昇と、前月の1.33%上昇から加速した。食品と(公共料金など)政府統制物価の上昇圧力がやや高まっている」としたが、「コアインフレ率は為替相場が落ち着いていることや景気回復が限定的となっているため、低水準で維持されており、21年と22年のインフレ率は物価目標(3%上昇±1%)の範囲内で推移する」との予想を据え置いた。
景気見通しについては、「4−6月期GDP(国内総生産)は前年比7.07%増と、前期の同0.71%増から急回復した」とした上で、「今後は経済活動の再開やワクチン接種の加速、景気対策、輸出拡大が経済をけん引する」とした。21年の成長率見通しについては前回予測の3.5−4.3%増を据え置いている。
また、FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が18日公表され、年内のテーパリング(量的緩和の段階的縮小)開始の可能性が高まったことを受け、ワルジョ・インドネシア中銀総裁は会合後の会見で、「FRBのテーパリング対策をすでに準備している」と警戒感を強めている。
次回の金融政策決定会合は9月20−21日に開かれる予定。
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