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新興国ニュース

<新興国eye>インド準備銀行、政策金利と量的緩和政策を据え置き―1委員が緩和継続に難色

2021-08-10 10:45:00.0

 インド準備銀行(RBI)は6日の金融政策決定会合で、デルタ株感染拡大による経済への悪影響を緩和し、景気回復を支援するため、流動性調節ファシリティ(LAF)の主要政策金利であるレポ金利(RBIの市中銀行への翌日物貸出金利)を4.00%に据え置くことを全員一致で決めた。市場予想通りだった。据え置きは、前回6月会合に続いて7会合連続となる。

 また、RBIはLAFのリバースレポ金利(市中銀行のRBIへの預金金利)も3.35%に、市中銀行が資金ひっ迫時にRBIから政府債を担保に資金を借りることができる流動性供給スキーム「MSF(マージナル・スタンディング・ファシリティー)」と公定歩合もそれぞれ4.25%に据え置いた。

 RBIは会合後に発表した声明文で、現状維持を決めたことについて、前回会合時と同様、「今回の現状維持の決定は経済成長を支える一方で、インフレ率についても中期の物価目標の4%上昇(レンジは2−6%上昇)の達成を目指すというわれわれの目的と合致する」とした。

 今後の金融政策の見通しについては、「パンデミックが始まって以来、われわれはパンデミックの経済への悪影響を緩和し、景気回復を優先してきたが、最近の経済指標をみると、外部要因による、一時的とみられるサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)がインフレ加速の原動力となっている。この観点からも今回のわれわれの決定(金融緩和の継続)の正当性が証明されている。現段階でインフレ加速阻止のための先制的な金融引き締め政策に転換すれば、緒に就いたばかりの景気回復が損なわれる可能性がある」とした上で、「物価目標の達成と、新型コロナの経済への悪影響を緩和し、持続的な成長が可能になるまで、必要とする限り金融緩和スタンスを継続する」とした。

 ただ、「金融緩和スタンスの継続」については、6人の委員の全員一致ではなく、1委員(ジャヤント・R・バルマー氏)が難色を示し、態度を保留した。市場ではインフレ率が物価目標のレンジの上限(6%上昇)を超える高い伸びとなっていることから、現在の超金融緩和スタンスの巻き戻し(金融引き締め)を示唆する動きと見ている。また、RBIは今回の会合で公開市場操作(オペ)を通じ、金融システムから随時、流動性を吸収しているが、現在の2兆ルピー(約2兆9700億円)の変動金利リバースレポ(RBIが買い戻し条件付きで金融機関に債券を売却し、市場から資金を吸収する取引)を拡大することも決めた。ただ、これについてシャクティカンタ・ダスRBI総裁は「金融緩和スタンスの巻き戻しではない」と否定している。

 また、RBIは今回の会合でも量的金融緩和(QE)政策の継続方針を据え置いた。ダス総裁は4月会合で、景気を支援するため、QE措置として、4−6月期に1兆ルピーの国債買い入れを行う方針を示し、4月16日から開始。さらに、前回の会合では7−9月期にも1兆2000億ルピーの買い入れを決めている。

 景気見通しについて、RBIは21年度(21年4月−22年3月)GDP(国内総生産)見通しを9.5%増と予想し、前会合時の見通しを据え置いた。四半期別の見通しは21年度第1四半期(4−6月)の見通しを前年比21.4%増(前回予想は同18.5%増)、第2四半期(7−9月)を同7.3%増(同7.9%増)、第3四半期(10−12月)を同6.3%増(同7.2%増)、第4四半期(22年1−3月)を同6.1%増(同6.6%増)と予想。また、新たに22年度(22年4月−23年3月)の第1四半期(4−6月)を同17.2%増と予想した。ちなみに、20年度(20年4月−21年3月)は7.3%減だった。

 インフレ見通しについては、21年度を前年比5.7%上昇と予想し、前回会合時の5.1%上昇から0.6ポイント引き上げた。四半期別の見通しは21年度第2四半期を同5.9%上昇(同5.4%上昇)、第3四半期を同5.3%上昇(同4.7%上昇)、第4四半期を同5.8%上昇(同5.3%上昇)と予想。新たに22年度第1四半期を5.1%上昇と予想した。RBIは声明文で、前回会合時と同様に、「インフレ率の全体指数は上ブレリスクと下ブレリスクのバランスはほぼ均衡している」とした。

 次回の金融政策決定会合は10月6−8日に開かれる予定。

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提供:モーニングスター社