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<新興国eye>ハンガリー中銀、政策金利を据え置き―9会合連続
2021-04-28 12:34:00.0
ハンガリー中央銀行は27日の金融理事会で、主要政策金利であるベース金利(準備預金への付利金利)を過去最低水準の0.60%に据え置くことを決めた。他の政策金利についても、ベース金利の上下幅(コリドー)の下限を示す翌日物預金金利をマイナス0.05%に、また、上限を示す翌日物有担保貸出金利と7日物有担保貸出金利もそれぞれ1.85%に据え置いた。
中銀は新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的大流行)の景気への悪影響や金融市場の混乱を抑えるため、20年4月7日の臨時会合で、ベース金利のコリドーの上限を示す翌日物有担保貸出金利と7日物有担保貸出金利をいずれも0.90%から1.85%に引き上げた。これは銀行が資金を中銀に預けるよりもインターバンク市場で積極的に運用(貸し出し)することを促し、市場の流動性供給を高めることを狙った措置。その後、6月と7月にベース金利だけを各0.15%、2会合連続で引き下げた。据え置き決定は8月以降、これで9会合連続となる。
中銀は会合後に発表した声明文で、政策金利を据え置いたことについて、前回同様、「われわれの使命は、物価を安定させ、金融市場の混乱を防ぎ、政府の経済政策を支えることだ」とした上で、「インフレは今後数カ月、急変動する可能性が高い。経済の再開で需要が供給を上回り、また、燃料価格の上昇や消費税の引き上げなどにより、インフレが急加速する。4−6月期には5%上昇に接近する」とインフレ加速懸念を示した。
インフレ率の見通しについては、「今夏からインフレ率は容認可能な物価目標のレンジ内に戻る可能性が高い」とした上で、「21年の全体のインフレ率は3.8−3.9%上昇、コアインフレ率(間接税率の変更の影響を除くため一定税率ベースでみたコアインフレ率)は約3%上昇になる」としている。
景気見通しについては、「パンデミックの第2波感染拡大に対し、ハンガリー経済は強靭さを示した。今後、第3波感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)の経済への影響は第1波感染拡大のときよりも厳しくない可能性がある」とした。21年のGDP(国内総生産)見通しを4−6%増、22年については5−6%増、23年は3.5%増と、それぞれ従来予想を据え置いた。
今後の金融政策については、「新型コロナ鎮静化後の経済活動の再開と新興国市場での投資家のリスク投資の回避の動きはインフレ加速リスクとなるが、その一方で、パンデミックが長期化すれば景気の早期回復を妨げ、経済予測よりも低いディスインフレ(物価上昇率の鈍化)リスクとなる」とした上で、「現在の先行き不透明な経済環境がインフレの持続的上昇を引き起こすことを防ぐ必要がある。われわれは経済の再開に伴うインフレ加速リスクや新興国市場での投資家のリスク投資意欲の動向を注視し、もし、インフレ加速リスクが高まれば、適切な手段を講じる用意がある」と前回同様、金融引き締めへの転換に含みを残した。
次回の金融政策決定会合は5月25日に開かれる予定。
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提供:モーニングスター社




