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新興国ニュース

<新興国eye>AMROが地域経済見通しを発表―カンボジアもV字回復と予測

2021-04-23 15:39:00.0

 3月31日、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office:AMRO)は、ASEAN+3地域経済見通し2021年版を発表しました。AMROは、この地域の経済・金融の監視・分析を行うとともに、ASEAN+3(ASEAN10カ国と日本、中国、韓国)による外貨融通の取り決め「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」の実施を支援するために設立された国際機関です。

 AMROは、今回の見通しで21年の加盟13カ国の経済がV字回復すると見て、GDP(国内総生産)成長率見込みを20年マイナス0.2%(前回9月予測0.3%)、21年6.7%(同6.7%)、22年4.9%と予測しました。ASEAN10カ国では、20年マイナス3.4%(同マイナス3.3%)、21年4.9%(同6.0%)、22年5.7%と見ています。AMROでは、国・セクターにより回復の速度は異なるが、製造業と輸出が成長のカギとなると指摘しました。また、新型コロナ後の経済回復について、新型コロナ影響もあって急速に進んでいるデジタル化と第4次産業革命における競争力強化が重要となると提言しました。

 カンボジアについては、成長率を20年マイナス3.0%(前回9月予測マイナス4.5%)、21年4.7%(同5.4%)、22年6.1%と予測しています。物価上昇については、20年2.9%、21年3.5%、22年2.4%と安定的に推移すると見ています。対外収支については、経常収支の赤字は、20年は10.3%に縮小し、総合収支の黒字を維持したとしています。外貨準備も20年末には213億ドル(輸入の11.6カ月分)と非常に安定的なレベルにあります。政府部門は、新型コロナ対策でGDP比5.1%の巨額の財政支出を行ったため、20年の赤字はGDP比6.7%に達しました。しかし、日本などの支援により公的債務はGDP比32.2%と問題ないレベルに留まっています。

 カンボジア経済のリスクとしては、新型コロナの影響による世界経済不況の長期化、財政支出の出口政策の影響による不良債権比率の悪化、国際的移動制限の継続による観光業への影響などを挙げています。また、新型コロナ対策については、短期的な支援から、中長期的な経済回復振興へとシフトしていくことが必要だと提言しています。

 AMROとCMIMは、アジア通貨危機の際のIMF(国際通貨基金)の対応が失敗続きであったために、日本が主導して設立したアジア版IMFです。16年の設立協定発効以降、活動を本格化しており、アジアの視点に立った経済分析・監視を実施しています。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社