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<新興国eye>EU、カンボジア政府に開発協力戦略案を提出
2021-03-19 15:56:00.0
3月3日、EU(欧州連合)はカンボジア開発評議会のカンボジア復興開発委員会に対し、21−27年の対カンボジア開発協力戦略案を提示しました。今後、EUパートナー諸国やステークホールダーを含めてカンボジア政府と協議していく予定です。会議には、在カンボジアEU大使のカルメン・モレノ大使、カンボジア復興開発委員会のチエン・ヤナラ事務局長が参加しました。
今回の戦略の重点項目としては、人材開発、産業多様化、民間セクター振興と雇用創出、持続可能・包括的開発をあげています。これらの重点項目は、カンボジア政府の第4次四辺形戦略と整合したものです。また、優先セクターとして、グリーン成長、教育と技能、ガバナンスの3点にも合意したとのことです。なお、この戦略に沿って供与される支援の総額は、前回の戦略(14−20年)とほぼ同規模の5億1000万ドル(約560億円)とされています。
EUは、フン・セン政権の強権化を批判して、20年8月から特恵関税制度EBAの一部をカンボジアに対しては適用外とする制裁を行っています。新型コロナの影響を強く受けている中での制裁については批判の声も出ている模様で、20年末にEUを離脱した英国は、この制裁を引き継がず、独自の特恵関税制度UKGSPをカンボジアに対し全面的に適用しています。
こうした中で、EUが中長期的な開発協力戦略をカンボジア側や関係者と協議することは、大きな意義のあることであり、納得のいく議論がなされて、戦略が完成・発動され、着実な支援が実施されていくことが期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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