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<新興国eye>ロシア中銀、政策金利据え置き―金融政策を「中立」にシフトへ
2021-02-15 10:12:00.0
ロシア中央銀行は12日の理事会で、主要政策金利である資金供給のための1週間物入札レポ金利と資金吸収のための1週間物入札預金金利をいずれも過去最低水準の4.25%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。これにより、新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的大流行)による経済への悪影響を抑制し、景気回復を引き続き支援する。
中銀は20年の4月会合で、ロシア経済が新型コロナ危機により急激に悪化する見通しとなったことを受け、景気刺激のため、2カ月ぶりに利下げを再開。続く6月会合も利下げを決め、金利水準は14年後半に物価目標を導入して以降で最低水準となった。7月に3会合連続の利下げを決めたあとは、9月会合で過去3回の利下げ効果を見るため、現状維持に転換した。今回で据え置きは4会合連続となる。
中銀は政策金利を据え置いたことについて、「20年12月と1月のインフレ率はそれぞれ前年比4.9%上昇、同5.2%上昇と、速いペースで上昇している。需要回復が思ったより速いペースで進む一方で、新型コロナによる経済活動の自粛など供給サイドのインフレ加速要因が見られ、家計や企業のインフレ期待も高水準となっている」とした上で、「今後、新型コロナワクチン接種が加速し、追加景気支援が金融市場とコモディティ(国際相場商品)市場の価格上昇に寄与する」と20年12月の前回会合に続いて、ディスインフレ(物価上昇率の鈍化)リスクが後退していると指摘した。
その上で、「21年のインフレ率は3.7−4.2%上昇となり、その後は4.0%上昇近辺で落ち着く」とし、前回会合時の予想(3.5−4.0%上昇)から0.2ポイント引き上げた。
金融政策の見通しについては、「20年のロシアのGDP(国内総生産)は3.1%減と、当初予想(4.0%減)より小幅な減少となった。21年は新型コロナウイルスのワクチン接種や経済活動自粛の部分的な解除により、消費者や企業の景況感が改善し、景気回復ペースが加速する」とした上で、前回会合時と同様、「(現在の)金融緩和政策は年末まで経済を支援する」と21年末まで金融緩和スタンスを維持する考えを示した。
しかし、今回の会合で初めて、「ロシア経済が経済予測の標準シナリオ通りに推移すれば、われわれは今後の経済と物価の動向や国内外の要因による景気見通しに対する(下ブレ・上ブレ)リスクなどを注視し、金融政策の正常化に向けた中立的な金融スタンスに戻るペースやタイミングを決める」とし、前回の会合で使った「今後の経済と物価の動向を注視し、追加利下げの必要性について検討する」との文言を削除した。
これより先、中銀のエルビラ・ナビウリナ総裁は20年11月25日、下院で開かれた公聴会で、今後の金融政策の見通しについて、「ロシア経済が経済予測の標準シナリオ通りに推移すれば、21年末まで金融緩和を維持する」とし、その上で、「金融政策の正常化に向けた中立的な金融スタンスを22年から開始する」と証言している。
市場では中銀はフォワードガイダンス(金融政策の指針)をインフレリスク重視のタカ派(強硬派)寄りにシフトしたとみており、インフレ率が今後数カ月、上昇ペースが落ちなければ、中銀は21年中にも利上げに踏み切る可能性があるとみている。
また、中銀は景気見通しについて、今回の会合で、21年の成長率見通しを3.0−4.0%増、22年と23年をそれぞれ2.5−3.5%増と2.0−3.0%増と予想し、21年末までに新型コロナのパンデミック前の水準に戻るとした。
次回の金融政策決定会合は3月19日に開かれる予定。
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