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<新興国eye>カンボジア経済財政省の21年GDP見通しは4%成長に
2021-02-12 12:05:00.0
1月27日、カンボジア経済財政省のボンセイ・ビソット次官は、2021年のマクロ経済運営と予算に関するフォーラムで、21年のGDP(国内総生産)成長率を4.0%と予測していると明らかにしました。産業別の成長率では、農業1.3%、縫製業4.5%、縫製以外の製造業12.5%、建設業2.9%、不動産業2.7%、ホテル・飲食業0.3%などと予測しています。
この予測は控えめなものだとしていて、上ブレ要因としては、20年に締結された中国との自由貿易協定、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)協定、間もなく調印予定の韓国との自由貿易協定、EU(欧州連合)の制裁を引き継がなかった英国のUKGSP(特恵関税制度)など、カンボジアからの輸出やカンボジアへの投資を促進する協定が多数あることをあげています。
また、政府の改革の進展、ワクチンの普及による新型コロナの抑制、経済・社会の安定性の維持、国際競争力の強化、年内成立予定の新投資法・PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携)法、米国等の経済回復などもカンボジア経済にとってプラスに働くと期待を示しました。
カンボジア経済の主力エンジンは、縫製品などの軽工業の輸出、世界中からの観光客を集めていた観光業、海外投資による建設・不動産業などであり、対外依存度が高いという特徴があります。このため、カンボジア経済は世界経済の回復なくしては回復しない構造となっています。輸出については、世界経済の回復に伴い、V字回復が期待されます。
しかし、新型コロナの影響を最も強く受けている観光業は、立ち直りに数年を要するとの見方が支配的です。また、中国などからの投資に支えられてブームとなっていた建設・不動産業については、当面弱含みとなる可能性が高いものと見られます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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