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<新興国eye>カンボジア人口センサス2019―総人口は1555万人に
2021-02-05 13:25:00.0
1月26日、カンボジア人口センサス2019の結果発表式典が開催されました。19年3月3−13日に調査した結果です。本格的な人口センサスは、10年ごととなっており、内戦後は1998年と2008年に日本政府の支援を受けて実施されています。なお、2013年に中間年人口調査が実施されています。
今回のセンサス結果では、総人口は1555万2211人となりました。08年は、1339万5682人でしたので、215万6529人増で、年間平均増加率は1.4%(08年1.5%)でした。都市部に居住する人口は、08年の261万4027人(全体の19.5%)から、613万5184人(全体の39.4%)へと倍増しました。
年齢別では、15歳未満の子供の人口比率は、1998年42.8%から2008年33.7%、19年29.4%へと減少しています。他方、生産年齢人口(15−59歳)は、08年60.0%から19年61.7%へと増加しました。60歳以上は、08年6.3%から19年8.9%となっています(日本の65歳以上人口比率は28.4%)。子供の比率が減少し、生産年齢人口が増加するときは、高度成長のチャンスとなることが知られており「人口ボーナス」と呼ばれますが、カンボジアはまさにその時期を迎えていると言えます。
平均年齢は27歳、平均余命は75.5歳となっています。乳児死亡率は、08年の26/1000出産から19年18に(日本は18年1.9)、5歳時未満死亡率も08年44/1000出産から28に大幅に低下しています。なお、妊産婦死亡率も、08年10万出産当たり461から19年141にまで減少しました(日本は18年3.3)。
成人識字率(7歳以上)は、1998年62.8%から2008年78.4%、19年88.5%に上昇しています。調査時点で小学生年齢の就学率は90.6%、中学生年齢は91.6%となっており、初等教育に努力してきた効果が出ているものと見られます。
就業者数は、第一次産業(農林水産業等)は08年72.3%から19年54.7%、第二次産業(製造業等)は08年8.5%から19年18.8%、第三次産業(サービス業等)は08年19.2%から19年26.5%となっています。第一次産業の比率は大幅に減少し、第二次産業、第三次産業にシフトしています。しかし、いまだに5割以上が農林水産業に従事しており、カンボジアにおける農業開発の重要性や、多数を雇用可能な労働集約型工業への投資誘致等の必要性が確認できます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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