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<新興国eye>カンボジア政府、eコマース戦略を発動
2020-12-25 10:53:00.0
11月25日、カンボジア商業省は、eコマース戦略を発動する式典を開催しました。eコマース戦略は、19年11月に公布されたeコマース法の実施のための戦略で、経済の多様化を図るとともに、ITを軸とした第4次産業革命(インダストリー4.0)を促進することを目的としています。
eコマース戦略の内容は、戦略と政策、各組織の調整、法規制の枠組み、情報通信技術(ICT)インフラ、決済システム、海外取引などとなっています。パン・ソラサック商業大臣は式典で、企業の競争力強化や生産性の向上、輸出の増大、雇用創出などを図る上で経済のデジタル化は不可欠だと強調するとともに、eコマース戦略の策定を通じてインダストリー4.0を推進し、30年に中所得国、50年に高所得国入りを目指したいと述べました。
開発途上国では、先進国が一段ずつ登ってきた技術の階段を一気に飛び越えて、最新の技術を導入するという「蛙飛び(リープフロッグ)」と言われる現象があります。カンボジアのICTセクターは、まさにその好例と言えます。
カンボジアでは全土をカバーする4G網により、携帯電話の世帯普及率はほぼ100%となっています。また、携帯電話に占めるスマートフォンのシェアも16年時点で48%に達しており、キャッシュレス決済やネットでの商品購入、デリバリーサービスなどを支えています。すでに中央銀行デジタル通貨の「バコン」も実用化して、電子決済の取引コストを引き下げつつあります。
カンボジア産業開発政策でも、イノベーション産業の振興を図るとしており、カンボジアのICTセクターの今後の発展が期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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