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<新興国eye>タイ中銀、政策金利を据え置き―5会合連続
2020-12-24 10:59:00.0
タイ中央銀行は23日の金融政策委員会で、政策金利である翌日物レポ金利を過去最低の0.50%に据え置くことを全員一致で決めた。市場予想通りだった。新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的大流行)のタイ経済への悪影響が及ぶ中、景気回復が鈍化していることや、通貨バーツ高の悪影響が懸念されている。
中銀は20年2月会合で0.25ポイント引き下げたあと、3月20日には緊急会合を開き、パンデミックの悪影響により、タイ経済のリセッション(景気後退)懸念が強まったとして、政策金利を0.25ポイント引き下げた。その後の3月25日の定例会合では据え置きを決めたが、パンデミックの悪影響が一段と強まった5月会合で今年3回目となる、0.25ポイント再利下げを決めた。この結果、2月以降の利下げ幅が計0.50ポイントに達し、政策金利も過去最低のゼロ金利水準となったことから、6月会合で現状維持に転換した。これで据え置きは前回11月会合を含め、5会合連続となる。
中銀は現状維持を決めたことについて、「タイ経済は引き続き回復しているが、景気下ブレリスクがある。景気の先行きの見通しは不確実だ」とした上で、「タイ経済は今後も低金利政策による支援を必要とする。将来、適切、かつ、最も効果的なタイミングで行動するため、限られた政策金利の調整余地を残すことを決めた」とし、当面、金融緩和の効果を見守りながら、景気動向を注視し、再利下げの余地を温存した。
中銀は同時に最新の経済予測を発表。20年のGDP(国内総生産)見通しを6.6%減と、前回9月予測の7.8%減から改善方向に修正したが、21年は3.2%増と、前回予測の3.6%増から鈍化方向に修正。22年は4.8%増を予想した。一方、インフレ見通しは、20年のコアインフレ率の見通しを前回予測から変わらずの0.9%低下とした。21年も前回予測と同じ1.0%上昇、22年も1.0%上昇と予想した。
通貨バーツの為替相場については、「国内金融市場でのリスク投資意欲の高まりを受け、ドルに対し、急速に上昇することが懸念される」とした上で、「為替相場の進展を注視し、適切な追加措置が必要かどうか検討する」と前回会合時と同様のスタンスを維持した。バーツは外国からの投資資金の流入増により、ドルに対し、上昇しており、こうしたバーツ高がタイの輸出を抑制し、景気回復に悪影響を与えることが懸念されている。
今後の金融政策については、「景気回復を支援することに政策の重点を置く」と当面、金融緩和スタンスを維持する考えを示した。ただ、「さまざまな景気リスクや政府の財政支援措置、特に新型コロナ感染拡大を注視し、必要に応じ、追加の金融政策手段を取る用意がある」とした。
次回会合は21年2月3日に開催される予定。
<関連銘柄>
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上場EM債<1566>、上場MSエマ<1681>、アセアン50<2043>
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