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<新興国eye>英国、EU離脱後もカンボジアに特恵関税措置
2020-12-04 10:41:00.0
11月10日、英国国際貿易省は、英国のEU(欧州連合)離脱に伴うガイダンスの一つとして「21年1月1日以降の開発途上国との貿易」を発表しました。英国のEU離脱に伴う経過措置期間が20年末で終了するため、開発途上国から英国への輸入については、21年1月1日より英国独自の一般特恵関税制度(UKGSP)に移行します。UKGSPは、原則としてEUのGSP(一般特恵関税制度)を踏襲したものとなる模様です。
UKGSPは、3つのカテゴリーに分類されます。後発開発途上国(LDC)枠組、一般枠組、強化枠組です。カンボジアは、国連の分類で後発開発途上国(LDC)に分類されているため。後発開発途上国枠組の適用を受けます。この枠組は、EUの特恵関税制度(EBA)と同じで、武器以外のすべての品目について、関税ゼロ・数量枠無しでの輸入を認めています。なお、原産地規則については、EUの基準を準用するとしています。
UKGSPでは、GSPの適用除外となるケースとして、所得向上等による国としての卒業、英国との自由貿易協定の適用、EUが適用している特定品目(22年まで)を挙げています。カンボジアについては、いずれも当てはまりません。
したがって、現在、EUがカンボジアに対して行っているEBAの一部資格停止とコメに対するセーフガード措置が適用されるかについては、明言されていません。カンボジア縫製製造業協会では、カンボジア商業省と共に詳細について確認中としており、結果が注目されます。
英国がEBAの一部資格停止とコメに対するセーフガード措置を引き継がない可能性も残されているものと見られます。新型コロナで苦しんでいるカンボジアにとって、英国が特恵関税措置を完全に履行することは、重要な決定となります。今後の展開が注目されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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