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新興国ニュース

<新興国eye>タイ中銀、政策金利を据え置き―市場予想通り

2020-06-25 10:56:00.0

 タイ中央銀行は24日の金融政策委員会で、政策金利である翌日物レポ金利を過去最低の0.50%に据え置くことを全員一致で決めた。市場予想通りだった。新型コロナウイルス(COVID−19)のパンデミック(感染症の世界的流行)がピークを過ぎ、経済活動の再開による景気回復の兆しが見えてきたことやデフレ懸念が後退したことを踏まえ、現状維持とした。

 中銀は20年2月会合で0.25ポイント引き下げたあと、3月20日には緊急会合を開き、パンデミックの悪影響により、タイ経済のリセッション(景気後退)懸念が強まったとして、0.25ポイント引き下げた。その後、パンデミックの悪影響が一段と強まった前回5月会合で、「国内の景気や金融市場の悪化、さらにはデフレ懸念も一段と強まる可能性が高い」とし、0.25ポイントの追加利下げをした。

 中銀は会合後に発表した声明文で、政策金利を据え置いたことについて、「今後、われわれは次回以降の金融政策を検討するにあたり、タイ経済の動向やパンデミックの悪影響、これまでに導入した財政刺激策や金融安定化策、金融市場への流動性対策などの効果を注視する」と述べた上で、「必要に応じ、追加の金融政策手段を取る用意がある」と前回会合時の文言を残している。

 景気見通しについて、前回会合時と同様、「タイ経済はパンデミックの悪影響がタイを含め、世界各国に及んでいることから、想定以上の大幅なマイナス成長となる可能性が高い」とリセッション懸念を示したが、今回の会合では、「新型コロナ感染を抑制する措置が緩和され、経済活動が改善している兆しがある」との見方を初めて付け加えた。

 また、中銀は今回の会合で最新の経済予測を発表し、20年のGDP(国内総生産)の見通しをマイナス8.1%と、前回3月予測時点のマイナス5.3%から大幅に下方修正した。21年の見通しは5%増(前回予測は3%増)と上方修正している。19年実績は2.4%増だった。

 インフレ見通しについて、前回会合時と同様、「20年のインフレ率はエネルギー価格の下落により、予想以上に低下する。コアインフレ率も低い伸びで沈静化した状況が続く」とした上で、「21年にはインフレ率は原油価格の持ち直しや景気回復により、物価目標に向かって収束し、中期的には物価目標を達成する」との文言を付け加えた。

 最新の経済予測では20年のインフレ率(全体指数)の見通しは1.7%低下(前回予測は1.0%低下)に修正したが、21年は0.9%上昇(同0.3%上昇)と修正している。また、コアインフレ率は20年が横ばい(同0.1%低下)、22年は0.1%上昇(同0.1%上昇)と予想している。

 市場では、国内経済が底入れしたことを受け、中銀の最大の関心事は金融市場の安定に移ったと見ている。また、追加利下げにより政策金利の低下が行き過ぎると、投資家が高利回りへの投資に走り、金融市場が不安定になる恐れがあるとしている。

 次回会合は8月5日に開催される予定。

<関連銘柄>
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提供:モーニングスター社