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<新興国eye>ハンガリー中銀、主要政策金利のみを0.15ポイント引き下げ
2020-06-24 11:32:00.0
ハンガリー中央銀行は23日の金融理事会で、主要政策金利である3カ月物固定預金金利(ベース金利)だけを0.15ポイント引き下げ、過去最低の0.75%とした。他の政策金利については、ベース金利の上下幅(コリドー)の下限を示す翌日物預金金利をマイナス0.05%、上限を示す翌日物有担保貸出金利を1.85%、7日物有担保貸出金利を1.85%と、いずれも据え置いた。新金利は24日から適用される。
中銀は新型コロナウイルス(COVID−19)のパンデミック(感染症の世界的流行)を受け、インターバンク市場の銀行間取引を活発化(貸出増加)させ、市場の流動性を高めることを狙い、4月7日の臨時会合で、ベース金利のコリドーをシメントリック(上下対称)に広げた。コリドーの上限を示す翌日物有担保貸出金利と7日物有担保貸出金利をそれぞれ0.90%から1.85%に引き上げられている。その後、4月28日の通常会合と前回5月会合で、すべての政策金利を2会合連続で据え置いた。
中銀は会合後の声明文で、ベース金利を引き下げたことについて、「現在の(パンデミックという)異常な経済環境下でのわれわれの使命は、物価を安定させ、金融市場の混乱を防ぎ、政府の経済政策を支えることだ」とした上で、「年内のハンガリー経済は前回想定した以上に、成長が鈍化する可能性が高い。一方で、インフレ率は減速する見通しとなっている。物価安定と景気回復を支えるためには、(企業や家計を取り巻く)金融環境の改善が喫緊の課題だ」とし、一段の金融緩和が必要との認識を示した。
景気の見通しについては、「1−3月期のGDP(国内総生産)はパンデミックの悪影響を受けながらも前年比2.2%増となったが、4−6月期はパンデミックの悪影響が最も強く及ぶため、成長率は大幅マイナスとなる可能性が高い」と懸念を示した。ただ、「7−9月期から回復が始まり、20年全体の成長率は0.3−2.0%増、21年は3.8−5.1%増、22年は3.5−3.7%増になる」と予想している。
インフレ見通しについては、「パンデミックやハンガリー経済の成長鈍化によるディスインフレ(物価上昇率の鈍化)圧力の上昇で、20年のコアインフレ率は3.3−3.5%上昇、21年は2.6−2.7%上昇となる」と予想している。
4月の臨時会合で、中銀は金融市場に流動性を潤沢に供給するため流通市場で国債とMBS(不動産担保証券)を買い取る量的金融緩和(QE)策の導入を決め、5月4日から開始したが、今回の会合でも、「国債買い取りプログラムは必要に応じて実施するセーフティネットとして継続する」とし、QE政策を据え置くことも決めた。
QEでは残存期間3年以上で、通貨フォリント建ての固定金利型国債を対象とし、銀行だけでなく、ノンバンクからも市場価格で買い取る。MBSについては、プライマリー市場(起債市場)と流通市場の両方で、これも残存期間3年以上のフォリント建て固定金利型MBSを買い取るとしている。
次回の金融政策決定会合は7月21日に開かれる予定。
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提供:モーニングスター社




