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<新興国eye>カンボジアのマイクロファイナンス、新型コロナ影響の貸付条件変更進む
2020-06-19 12:23:00.0
カンボジアマイクロファイナンス協会によりますと、5月31日現在で、個人と団体の会員を合わせて18万301件の借入人の貸付条件変更が承認されたとのことです。借入人の総数は、約260万件であり、このうち19万6307件から新型コロナの影響を受けているとして条件変更の申請があったとのことです。条件変更となった貸付の総額は、8億1700万ドル(約870億円)です。
マイクロファイナンス最大手のPRASACによりますと、6月第1週には、1万2770件の総額1億4300万ドルの貸付の条件変更を行ったが、経済活動復活の兆しもあり、条件変更申請は減少傾向にあるとしています。また、PRASACの貸付残高は新型コロナで厳しい状況下にあるものの、19年末の25億100万ドルから、20年6月3日現在26億5100万ドルに増加しているとしています。
3月27日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、新型コロナの影響を受けている借入人に対する貸付条件の緩和を求める通達を発出し、商業銀行、マイクロファイナンス機関などのすべての金融機関に対し、返済期限の延長や元本の支払い猶予、金利の引下げ等により、新型コロナの影響を受けている借入人を救済することを求めました。特に4つの優先セクター(観光、縫製、建設、運輸)に最大限の配慮を行うように求めています。全ての金融機関は、中央銀行の指示に従い、貸付条件変更に柔軟に対応しているものと見られます。
マイクロファイナンス全体の19年末の貸付残高は、約72億ドル(約7700億円)であり、条件変更対象はその11%程度となっています。新型コロナの影響で返済が困難になっている借入人数は、今のところ予想よりも少なかったものと見られますが、今後、不良債権比率が上昇する可能性もあり、引き続き注視する必要があるものと見られます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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