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<新興国eye>IMF協定第4条協議に基づきカンボジアの好調なマクロ経済を評価
2019-10-25 15:13:00.0
IMF(国際通貨基金)は、IMF協定第4条に基づき、毎年加盟国政府と政策協議を行うこととなっています。9月30日から10月11日まで来訪したIMF調査団とカンボジア政府との協議結果について、10月11日にIMFから発表があり、詳細なレポートが2カ月ほど経って発表される見通しとなっています。
IMFは、カンボジアの経済は力強く、19年の成長率は7%程度となると見ています。他方、貸付の急増による金融セクターの脆弱性、特に不動産セクター向け貸付について対応が必要と指摘しています。また、EU(欧州連合)の特恵関税制度(EBA)の資格停止に備えて、マクロ経済の安定、競争力とガバナンスを強化するための構造改革を更に促進する必要があるとしています。
経済予測については、19年のGDP(国内総生産)成長率は7%前後の高成長を維持すると予測しています。20年は、外的要因で7%を下回り、中期的にも成長率は若干低下していくと見ています。19年の物価上昇率は2.5%程度に留まると予測しました。経常収支の赤字は19年にはGDP比13.5%程度となるものの、海外直接投資等により埋め合わされて、外貨準備は引き続き増加していくと見ています。
リスクについては、第1にEBAの資格停止をあげ、経済に大きなネガティブインパクトを与えかねないと懸念を表明しました。このほか、世界的な保護主義の影響、中国の成長の鈍化、金融セクターの脆弱性を指摘しています。特に、不動産向け融資について対応が必要であるとしています。金融機関ではなく、不動産開発業者が行っている貸付については、監視や規制が不十分であり、貸付の適正化を図るための対策が必要と指摘しています。
このほか、マネーロンダリング対策、リエルの使用促進も重要であるとしました。なお、公的債務については、18年末で対GDP比28.6%であり、当面「低リスク国」分類が続くと評価しています。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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