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<新興国eye>カンボジア19年GDP成長率見通しは7.1%―同国中銀発表
2019-08-09 13:19:00.0
7月27日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、19年上半期の半期経済報告を発表しました。19年のカンボジアのGDP成長率は7.1%となると予測しています。これは、輸出、建設・不動産、観光の各セクターが好調であるためとしています。ただ、農業については伸び悩んでいるとしています。上半期の第二次産業の成長率は10.5%、第三次産業は6.6%でしたが、農業は1.4%にとどまったとしています。GDPに占めるシェアは、第三次産業が39%、第二次産業が36%ですが、農業は17%となっています。
上半期の輸出は好調で、前年同期比13%増の68億ドル(約7300億円)に達しました。主な輸出品目は、縫製品や履物に加え、旅行用品、自転車、コメ等も目立つとしています。主な輸出先は、EU(全体の33%)、米国(同28%)、日本(同8%)等でした。輸入は105億ドル(約1兆1300億円)でした。主な輸入先は、中国(同46%)、タイ(16%)、ベトナム(同13%)、日本(同8%)等でした。
中央銀行のチア・スレイ副総裁は、カンボジア経済は縫製、建設、観光等の好調に支えられて今後も好調が続くと説明しました。物価上昇率は1.9%と低いレベルにあり、為替レートも安定していて、外貨準備は111億ドル(約1兆2000億円)に達したとしています。
リスクとしては、外部要因で、国際競争の激化と中国経済のスローダウンをあげました。高度成長を維持するためには、地域的および二国間の自由貿易協定の促進が必要であるとしました。カンボジア経済にとって大きなリスクであるEU(欧州連合)のEBA(特恵関税制度)の資格停止については、特恵関税は、近い将来カンボジアが発展して上位中所得国になればどちらにせよ失われるものであるとして、それに備えて、輸出品目と輸出市場の多様化を進めていくことが必要であると指摘しました。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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