新興国ニュース
<新興国eye>インド準備銀行、予想外の0.35ポイント利下げ―緩和継続の可能性示唆
2019-08-08 13:45:00.0
インド準備銀行(RBI)は7日、金融政策決定会合を開き、インフレ率が依然物価目標を下回っている一方で、景気後退懸念が強まっていることから、流動性調節ファシリティ(LAF)の主要政策金利であるレポ金利(RBIの市中銀行への翌日物貸出金利)を0.35ポイント引き下げ5.40%とすることを4対2の賛成多数で決めた。
今回の会合では利下げそれ自体は全員一致で支持されたが、利下げ幅を巡っては4人の委員が0.35ポイント、また、2人の委員が0.25ポイントを主張した。市場の大方の予想は0.25ポイントの小幅利下げだったためサプライズとなった。
また、レポ金利の引き下げに伴い、LAFのリバースレポ金利(市中銀行のRBIへの預金金利)も5.15%に、また、市中銀行が資金ひっ迫時にRBIから政府債を担保に資金を借りることができる流動性供給スキーム「MSF(マージナル・スタンディング・ファシリティー)」と公定歩合もそれぞれ5.65%に、いずれも同率引き下げられた。
RBIは17年8月に主要政策金利を10カ月ぶりに0.25ポイント引き下げて6.00%としたあと、18年4月まで4会合連続で据え置いた。同6月と同8月は2会合連続で利上げに転じ、その後、同10月と同12月に2会合連続で現状維持を決めた。しかし、今年2月に1年半ぶりに0.25ポイントの利下げに踏み切り、利下げはこれで4会合連続となる。
また、RBIはバイアス(金融政策に対する姿勢)を「緩和的に」に据え置いた。緩和バイアスは将来の利下げ継続の可能性を示す。
RBIは会合後に発表した声明文で、利下げについて、前回6月会合時と同様に、「今回の決定は経済成長を支えながらCPI(消費者物価指数)で見たインフレ率の中期目標である4%上昇(2−6%上昇レンジ)を達成するというわれわれの目的と合致する」とした。
インフレの現状認識については、「インフレ率は6月のCPI(消費者物価指数)が前年比3.2%上昇と、4−5月の3%上昇から加速した」とし、依然、物価目標の4%上昇を下回りディスインフレ(物価上昇率の鈍化)の状況が続いているとした。
インフレ見通しについては、最近の利下げ効果を含め、さまざまな要因を考慮した上で、19年度第2四半期(7−9月)の見通しを前年比3.1%上昇、19年度下期(19年10月−20年3月)を前回会合時の同3.4−3.7%上昇から同3.5−3.7%上昇と、レンジの下限を引き上げた。20年度上期(20年4−9月)については同3.6%上昇と予想した。その上で、これらのインフレ見通しに対するリスクは「概ね均衡している」とし、前回会合時の判断を据え置いた。
一方、景気見通しについては、「経済データをみると、インド経済は内外需とも弱い状況にある。ただ、今後は2月からの連続利下げの効果で経済が下支えられる」とした。ただ、19年度(19年4月−20年3月)のGDP(国内総生産)見通しを前回会合時の7.0%増から6.9%増に下方修正した。
今後の金融政策に見通しについては、「インフレ率は今後12カ月の予測レンジでは物価目標の範囲内で推移すると予想される。一方、内需は依然弱く、世界経済の減速や貿易摩擦による景気下振れリスクもある」とした上で、「これまでの利下げが徐々に実体経済に及んできたとしても、マイナスのアウトプット・ギャップ(デフレギャップ)を解消するためには、まだ金融政策の余地がある。物価目標の達成と同時に、景気を刺激することにより、成長懸念に取り組むことは最優先課題だ」と利下げ継続の可能性を示唆した。
次回会合は10月1−4日に開かれる予定。
<関連銘柄>
上場インド<1549>、インドNIF<1678>、インドブル<2046>、
インドベア<2047>、iSエマジン<1582>
提供:モーニングスター社




