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<新興国eye>カンボジア、太陽光発電比率20%以上を目指す
2019-07-26 12:31:00.0
カンボジア電力公社(EDC)は、今後数年間で、再生可能エネルギーの比率を大幅に増加させたいとしています。18年末の発電容量の内訳は、水力48.5%、石炭火力34.5%、石油火力1.9%、再生可能エネルギー0.5%などとなっています。カンボジア電力公社は、今後数年間で、太陽光発電の比率を20%以上に高めたいとしています。
その背景として、19年の水不足で水力発電の稼働率が落ち、3月から5月まで計画停電が必要なところまで追い詰められたことがあります。これは、ダム容量が不十分で、季節調整能力(雨期に水を貯めて乾季に備える)が不十分なためです。
したがって、水力以外の電源比率を高めて、電源の多様化を進める必要があります。太陽光発電は、水が不足する乾季は晴天が続くため出力が安定する特性があり、水力発電の稼働率低下を埋め合わせるには最適と見られます。このため、太陽光発電の比率を高めたいとしており、2022年までに320メガワットの太陽光発電を増強する見込みです。なお、風力発電については、今後技術的フィージビリティ(実現可能性)を検討していく必要があるとしています。
カンボジアは、電力供給の拡充に努めてきていますが、高度成長や地方部への給電等による需要の伸びが大きく、電力需給が未だに不安定です。電力の安定供給は、外国投資誘致には欠くことのできないものですが、中国等の外国投資による発電所で構成されているカンボジアにおいては、計画的な電力運用と中長期的な開発計画の達成が容易ではありません。カンボジア政府がリーダーシップを握った柔軟な対応と地道な努力が大いに期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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